アンソニー・エドワーズ

フィンチヘッドコーチ「彼は休養のために試合を休んだことは一度もない」

NBAはレギュラーシーズンが終了し、プレーイン・トーナメントの行方とともにアワード(個人賞)の関心が高まっている。そして、『65試合ルール』が悪い意味で注目を集めてきたが、ルカ・ドンチッチとケイド・カニングハムに特例が認められた。

『65試合ルール』は2023-24シーズンから導入され、主要な個人賞を受賞するためには20分以上プレーした試合が65以上を必要とするルール。これにより、ドンチッチやカニングハム、アンソニー・エドワーズらが受賞資格を失った。

しかし、現行の労使協定には、65試合に届かない場合でも『例外的な状況』があれば選手が異議申し立てを行える条項があり、結果的にこれが通った。リーグと選手会は声明で「カニングハムとドンチッチの諸状況を総合的に判断した結果、両名には受賞資格があるとの結論に達した」と発表している。

レイカーズを牽引したドンチッチは規定の65試合にあと一歩届かなかったが、12月に愛娘の誕生に立ち会うために渡航した際の欠場が「例外的な状況」として認められた。ドンチッチはSNSを通じ、「娘の誕生に立ち会うことは何よりも優先すべきことだった。支えてくれたチームに感謝したい」と声明を発表。晴れて、MVP候補およびオールNBAチームの正当な候補者として名を連ねることになった。

ピストンズの若き司令塔、カニングハムはシーズン終盤に肺気胸という不測の事態に見舞われたことで63試合の出場に留まったが、こちらも不可抗力として救済措置が取られた。

しかし、ティンバーウルブズのエドワーズの異議申し立ては却下された。エドワーズは61試合に出場し、平均28.8得点(リーグ3位)、5.0リバウンド、3.7アシストを記録し、チームを西カンファレンス5位に導いたが、アワードに選ばれる資格を失った。

これに噛み付いたのが、ウルブズのクリス・フィンチヘッドコーチだ。「彼は休養のために試合を休んだことは一度もない。ルールに異議申し立てのプロセスがあるのに、その運用が不透明ではルールの意味がない。これではルールではなく単なる『努力目標』ではないか」と厳しく批判した。

もともと『65試合ルール』は選手のロードマネジメントを抑止する狙いがあり、アダム・シルバー・コミッショナーは「以前はスター選手が欠場しすぎていた。このルールによって選手はコートに立つようになった」と、ルールの正当性を強調する。事実、ビクター・ウェンバニャマやニコラ・ヨキッチらは、激しいマークに遭いながらもシーズン最終盤まで出場を続け、自力で65試合の壁を突破している。

それでも、負傷や家庭の事情といった『避けられない欠場』をどう線引きするかという問題は残る。選手会会長のフレッド・バンブリートは「ルールを再評価すべき時だ」と、一律の数字で区切ることの危険性に警鐘を鳴らした。リーグと選手双方が納得できる、ルール改定の動きが加速しそうだ。