日本代表の『新エース』宮澤夕貴、渡嘉敷復帰を歓迎「もっと良いバスケができる」

2019/07/22
日本代表
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宮澤夕貴

渡嘉敷加入の効果は「ミスマッチで中を狙える」

バスケットボール女子日本代表は強化合宿を実施中。今回の合宿からは渡嘉敷来夢が合流している。リオ五輪以降、渡嘉敷がアメリカ挑戦やケガのリハビリを優先して代表チームから離れている間に急成長し、押しも押されぬエースとなった宮澤夕貴は、代表に渡嘉敷が加わる効果をこう語る。

「やっぱりリバウンドが強いのと、相手がスイッチした時に中を狙えるのが大きいですね。今まではタクさん(渡嘉敷)がいなかったので、ミスマッチになっても中を攻められず、外のミスマッチを攻める感じでした。日本のバスケットのプレースタイルは変わらないですけど、ビッグマンが入ることによってプラスになる部分は多いです」

最も高い身長193cmの渡嘉敷が加わることはサイズアップに直結し、当然のように戦力アップに繋がる。それでも渡嘉敷本人は代表でのブランクを埋めることに苦労している様子。実際、渡嘉敷は宮澤に何度も声をかけるシーンが見られた。

「タクさん自身に迷いもあるので、自分も声を掛けます。タクさんも『これでいいの?』みたいなことを聞いてくれるので、『そうだよ』とか、『そこは違うよ』と言ったりしました」

日本代表のバスケットに順応するのに多少の時間は要するとしても、渡嘉敷の合流が大きなチーム力アップになるのは間違いない。「タクさんはすぐに馴染めると思いますよ」と宮澤も言う。「だからそんなに心配はしてないです。あと1年あるので、タクさん自身もスムーズに動けるようになると思います。もっと良いバスケットができるんじゃないかなとは思いますし、もっと上を目指せます」

宮澤夕貴

本心はスコアラー、それでもシューターに専念

クイックリリースから放たれる宮澤の3ポイントシュートは日本の大きな武器となっている。リオ五輪では控えに過ぎなかった宮澤は、この3年でシューターとして日本女子のトップへと成長したが、宮澤自身はシューターだけに甘んじるつもりはない。「オリンピックではスコアラーとして金メダルを取りたい」と発言している。

それでも、指揮を執るトム・ホーバスは宮澤をシューターの役割に専念させる方針だ。「シューターですね。だから、自分がボールを持っているところにピックが来ることは今年はないです。アースにはピック行かないでって(笑)」

自身が所属するJX-ENEOSサンフラワーズでは、鋭いドライブからクリエイトするシーンも多々見られる。だが、「自分がピックを使うより、違う人がピックを使った方がうまくいく。みんながみんなスターだし、JXでできていることでも日本代表になったらできないこともあるので」と、他の選手のほうがクリエイト能力が高いと認め、シューターとしての役割を受け入れている。

「トムさんが客観的に決めることですし、それが自分の実力なので。ピックを使ったプレーをしたいと思っていても、海外の選手は基本スイッチしてくるので、そこでドライブができればいいなって。役割が決まっているので簡単ですよね。3ポイントシュートとディフェンスとリバウンド、あと走る。最低限のことをやっていればいいので」

宮澤夕貴

成長に貪欲であり続け、あと1年でどこまで伸びるか

自分の可能性の一つを消すことは、伸び盛りの選手にとっては決して歓迎できるものではない。だが宮澤は「ショックではないです」と受け入れ、プラスに転じようとしている。

「今ピックに来て欲しいと思う時もありますけど、それはもう仕方がない(笑)」と割り切っている部分もある。ただ、今は代表で自分に求められるプレーに専念し、ドライブから打開するプレーは自分のチームでさらに磨きをかけるつもりだ。「JXに戻ってる間にもっとできるようにすれば、オリンピック前の代表合宿では自分にもピックが来るようになると思います」

あと約1年間でどこまで己を高められるか。渡嘉敷と並んで『エース』と見られるまでに成長してもなお、宮澤自身が貪欲であり続けていることは心強い限り。東京オリンピックでは、クリエイトして3ポイントシュートも沈める宮澤の姿が見られるはずだ。