
「チャンスがあれば自分のプレーをもっと出したい」
セルティックスはジェイソン・テイタムがアキレス腱断裂で長期欠場中で、このケガを受けて昨年オフにドリュー・ホリデーやクリスタプス・ポルジンギスを放出。サラリーのバランスを取るために2023-24シーズンの優勝チームを解体した。
その選択をした時点で、フロントは今シーズンをチーム基盤の再構築に使うつもりだったのだろうが、ジェイレン・ブラウンを筆頭に残された選手たちが奮起して、40勝20敗と東カンファレンス2位につけており、プレーオフ進出はもはや当確と言っていい。
この予想外の躍進を支えているのが、これまでは出番のなかった選手たちだ。その一人がニーミアス・ケイタで、今シーズンここまで先発センターとして堂々の働きを見せている。
優勝した2023-24シーズンは11.9分の出場で5.5得点、4.4リバウンド。昨シーズンは出場機会を多少増やしたものの、13.9分の出場で5.0得点、3.8リバウンドとむしろスタッツを落としている。アル・ホーフォードやクリスタプス・ポルジンギス、ルーク・コーネットと経験豊富なビッグマンが揃うセルティックスではプレータイムが安定せず、リズムをつかめなかったのも無理はない。
それでも今のケイタは安定したパフォーマンスを見せ、ハマった時には爆発力も見せる。それが発揮されたのが現地3月1日のセブンティシクサーズ戦だった。ジョエル・エンビードが欠場したこの試合、アンドレ・ドラモンドとのマッチアップで運動量とプレー強度で上回り、フィールドゴール14本中10本と高確率でシュートを決めた他、フリースローも10本得て7本を成功させてキャリアハイの27得点を記録。さらに17リバウンドに3ブロックとペイントエリアを支配した。クラッチタイムにルーズボールを拾ってのバスケット・カウント、オフェンスリバウンドをそのままダンクで押し込むビッグプレーも飛び出した。
Dominated at both ends 💪
So many plays to choose from but here’s our pick for tonight’s @JetBlue Play of the Game pic.twitter.com/2XBGNvQSpf
— Boston Celtics (@celtics) March 2, 2026
キャリア最高のパフォーマンスとなった試合を終えて、ケイタはジョー・マズーラから「君を先発センターにする」と伝えられた昨年オフを思い出していた。「コーチからの信頼を感じられて喜んだけど、そこからが大変だった。先発センターとして十分なプレーをするためにキツい練習を課されたからね。でも、僕がチームの勝利に貢献できると思える自信を持てるまで、みんな僕をサポートしてくれた」
「代表活動の前にそれを聞けて、毎試合で活躍しなければいけないという自覚が芽生えたのは良かった。ポルトガル代表でプレーすることで、僕はリズムをつかみ、自信を得ることができた。その後の夏は本当にたくさん練習したよ。リバウンド、ピック&ロールのディフェンス、マッチアップの判断など、ありとあらゆる細かい技術を学んだ。僕にとって勝負の夏だった」
そうやって身に着けたスキルの一つひとつを発揮することで、ケイタはセルティックスを支える存在となった。NBAで26歳は若手とは言えないが、2巡目指名の選手が優勝を狙えるチームで不動の先発を務める価値は非常に高い。
ドラモンドとのマッチアップは完勝だったと言っていい。実はケイタは、以前からドラモンドに教えを乞う関係にあった。「ピストンズ時代の彼のプレーをよく見ていた。同じビッグマンとして、ずっとお手本にしてきたんだ。僕は常に学び、吸収したい。彼はいつも僕の味方でいてくれて、気付いたことを教えてくれる。本当に感謝しているよ」
「僕はプレーを楽しもうとしているだけ。練習で必死になって学んだことが試合で上手くいき、得点に繋がると最高に気分が良いよ。でも、僕はもっともっと成長したい。チャンスがあれば自分のプレーをもっと出したい。そうすることが、チームへの貢献に繋がるからね」
セルティックスはトレードデッドラインで経験豊富なニコラ・ブーチェビッチを獲得したが、そのブーチェビッチをベンチに置いてケイタを先発で使い続けている。指揮官ジョー・マズーラはケイタが活躍していても、不十分なプレーが一つあれば手厳しく指摘する。完全な信頼を置いているわけではなくても、ケイタの学ぶ意欲は十分すぎるほど認めているからこその起用法だ。NBAキャリア5年目の26歳は、飛躍の時を迎えている。