桶谷大

「トムさんのバスケットのすごく良い部分を引き継いでいく」

2月18日、バスケットボール男子日本代表は今月末から始まる『FIBAワールドカップ2027アジア予選Window2』の中国戦、韓国戦に向けた公開練習を、開催地である沖縄アリーナで実施した。

トム・ホーバスの後任として新たに代表の指揮官を務める桶谷ヘッドコーチは、琉球ゴールデンキングスとの兼任でその重責を担う。琉球はジャック・クーリー、アレックス・カークを軸とした強力なインサイドゲームを持ち味としているが、世界だけでなくアジアの強国と比較してもサイズで劣る日本代表で、同じようなバスケットボールをやるのは非現実的だ。

だからこそ、プロバスケのヘッドコーチ歴20年を誇る百戦錬磨の名将が、どんなスタイルのチームを作り上げていくのかは興味深い。そんな中、桶谷ヘッドコーチが強調したのは、良いものはしっかりと継承していくということだ。「トムさんのバスケットのすごく良い部分を引き継いでいく。その上で個々の良いところをしっかりと出しながらチームとしてまとまっていこう」と、最初のチームミーティングで伝えたと明かす。

また、準備期間が短いことで、「今回はコンセプト自体をガラっと変えたくない」とし、前指揮官へのリスペクトを続けた。「Window1でかなり良いバスケットを見せてくれたと思っています。だから、前回と同じメンバーが多く入っています。各選手に与えられた役割は一番良かった部分と思っているので、どちらかといえば変えるというより残す。温故知新ではないですけど、良いものをしっかりと残すところからまずは入っています」

そして、桶谷ヘッドコーチは戦術よりも選手個々の特徴を生かすことを優先したチーム作りを大切にしているが、それは代表になっても変わらない。「これまで僕自身がやってきたバスケットは、素材をいかに生かして生産性を上げていくかです。良い素材が集まることで、より生産性が高いチームができる。やっぱり各選手の個の力をしっかりと引き出し、それをどんどん大きくしていくことで、チームの和も大きいものが作れる。そういうイメージです」

このような考えだからこそ、「今の日本で最強のチームが作れると思う選手たちを集めました」と、今回の合宿参加メンバーについて語った。また、短い準備期間の中で最も大切にしていくこととして「共通認識」を挙げた。

「今回、あまり時間がない中で戦わないといけないです。だからこそオフェンス、ディフェンスのコンセプトをみんながしっかりと共通の認識を持ってプレーするところが重要ですし、スムーズにプレーさせてあげたいと思っています。だから共通認識を本当に大切して、練習に取り組まないといけないです」

中国、韓国も日本と同じく、故障者や海外組の不参加など様々な要因からベストメンバーではないが、それでも難敵であることは間違いない。このタフな状況でも結果を残すため、桶谷ヘッドコーチが2月26日の中国戦にどんなメンバーを選び、どんな采配を振るうのか楽しみだ。