イビチャ・ズバッツ

トレードには「なぜ自分なのかという疑問もあった」

現地2月5日、トレードデッドラインの期限ぎりぎりでイビチャ・ズバッツはクリッパーズからペイサーズにトレードされた。クリッパーズは再建へと舵を切り、ペイサーズはマイルズ・ターナーに代わるセンターを補強した。

ペイサーズはタイリース・ハリバートンの長期離脱で今シーズンこそ低迷しているが、来シーズンからは再び優勝候補となる。そのために昨年オフにフリーエージェントで退団したターナーの穴を埋める必要があった。ズバッツはNBAでも屈指のセンターで、しかもまだ28歳で伸びしろがある。少し前までならクリッパーズは絶対に放出しなかったであろうタレントは、このタイミングだからこそ獲得できた。それまではキャバリアーズのジャレット・アレン、ホークスのオニエカ・オコングの獲得も噂になっていたが、タレント力ではズバッツが一番だろう。

「初めての子供が生まれて喜んでいたその日に『トレードされる可能性が高い』と連絡をもらっていたから、実際に決まった時は『ついに決まったか』という感じだった」とズバッツは言う。

「病院のベビー用品に囲まれた部屋で、哺乳瓶の保温器具の説明書を読んでいた時に電話がかかってきた。ローレンス・フランク(クリッパーズの球団社長)からの着信だったから、それでトレードだと分かった。トレードの可能性は分かっていたけど、やっぱりショックはあったよ。クリッパーズには長く在籍したし、ロサンゼルスでの思い出も多い。なぜ自分なのかという疑問もあった」

ズバッツはターナーのようにプレーエリアが広く、さまざまな仕事をこなすストレッチセンターではないため、昨シーズンまでのターナーをそのまま置き換えることはできず、アジャストが必要になるだろう。それでもズバッツは「このチームのバスケに完璧にフィットする自信がある」と前向きだ。

「ペイサーズはNBAで最もペースの速いチームだ。常にプッシュし、ボールがよく動く。僕はこれまでペースの遅いバスケをやってきたから、アジャストは必要だ。今シーズン後半戦とオフを使って、ハリバートンのスピード感に合わせるつもりだ」

ズバッツはアジャストの難しさよりも、まったく新しいスタイルへのチャレンジへのワクワク感が大きいと言う。それは新たなチームメートとどんなプレーを生み出すかでもある。

「このチームにはゴール下で存在感を発揮できるビッグマンが必要だ。僕は守備で声を出してコミュニケーションを取るタイプだから、その部分ではすぐに貢献できると思う。パスカル(シアカム)とのプレーも楽しみだね。彼のように何でもできるパワーフォワードと僕の組み合わせで、さまざまなプレーを生み出せる。彼と僕とでピック&ロールもできるだろうね。タイリースとのプレーも楽しみだ。彼の支配力、統率力、ペースの速さはリーグでもトップクラスで、昨シーズンも彼のピック&ロールを守るのは大変だった。彼とも良い連携を築けると思う」

すでにNBAで実績を築いたセンターではあるが、彼は変化に前向きだ。「これまではダンカースポットにいることが多かったけど、これからはコーナーにポジションを取る機会が増えると思う。コーナーでボールを受けたら、すぐ次のプレーであるハンドオフやスクリーンに繋げるスタイルだ。僕にとって10年の習慣であるダンカースポットを空けるプレーは大いなる挑戦だけど、新しい挑戦は楽しみだよ」

「僕はシュートが打てないわけじゃない。クリッパーズではその機会があまりなかったけど、練習はしてきたし、打ちたい気持ちはあった。コーチがどれぐらい許容してくれるか次第だけど、求められるのであれば準備万端にしておくよ」