キャリアハイの19得点「自信を持って打っています」

秋田ノーザンハピネッツは2月14、15日の第23節で茨城ロボッツと対戦した。ゲーム1は第1クォーターからリードを奪われ53-71で敗戦。続くゲーム2は、残り約1分で6点差を追いかける展開から怒涛の追い上げを見せ、菅原暉が残り2秒で同点のチャンスとなるフリースローを獲得するも2本目で失敗し、86-87で惜敗した。

秋田はベテランシューターの田口成浩とオールラウンドプレーヤーの赤穂雷太をケガで欠き、アグレッシブなディフェンスが売りの栗原翼も出場できなかった。ミック・ダウナーヘッドコーチが交代をこまめに行い、選手のガス欠を回避することに注力する中で、特別指定選手とは思えない活躍を見せたのが1月下旬に加入した小川瑛次郎だった。

白鷗大2年の小川は秋田市出身の20歳で、秋田ノーザンハピネッツU15にも所属した経歴のあるシューティングガード。今年度の全日本大学バスケットボール選手権大会決勝戦では、4本の3ポイントシュートを含む14得点を挙げてチームの優勝に貢献した。秋田の特別指定選手になるのは高校3年生時以来2度目となる。

小川は交代で入ると積極的にシュートを狙う姿勢を見せて、ゲーム1ではチーム2番目の9得点を挙げた。またゲーム2は前半こそスコアを封じられたものの、スターターを務めた第3クォーターに3連続3ポイントシュートを決めて茨城にタイムアウトを請求させ、Bリーグでのキャリアハイとなる19得点を記録した。

「ヘッドコーチを含めコーチ陣からは、『シュートを打ちすぎているということはなく、スキがあれば積極的に狙うべきだ』と言われているので、自信を持って打っています」

そう語る小川は、20歳とは思えない物怖じしないプレーを見せている。ダウナーヘッドコーチも「自信を持ってプレーしてくれていることがすごく素晴らしいです」と称賛し、「シューターがアグレッシブであれば、スクリーンを守る相手にストレスがかかり、それがスクリーナーのチャンスにも繋がります。ですから、オフェンス面では間違いなく満足しています」と続けた。

Bリーグでプレーすることで見えた課題

オフェンス面ではこのような高い評価を述べたダウナーヘッドコーチだが、「ディフェンス面ではまだやるべきことがあります」と若きシューターの課題についても言及した。

指揮官の発言を小川も理解していた。「外国籍選手のスクリーンに捕まってしまうと、なかなか抜け出せないのは課題です。フィジカルの部分やディフェンスの賢さというのはもっともっと学んでいかないといけません」

確かに小川がピック&ロールのディフェンスでビッグマンのスクリーンに引っかかり、スイッチディフェンスをせざるを得なくなるというシチュエーションは多く見られた。大学でもスクリーンプレーは必須プレーではあるが、Bリーグでは一回りも二回りも大きい体格の選手を相手にしなくてはいけない。

この点について、小川はシューターの大先輩からアドバイスがあったことを明かした。「シゲさん(田口)に『スクリーナーとディフェンスをしっかり見て待つ』ということは助言してもらっているので、生かしていきたいと思います」。Bリーグで特別指定選手としてプレーするメリットの一つである、大学では受けることができない『授業』を経験している。

出場した6試合で平均16.17分出場、9.8得点、2.3リバウンド、3ポイントシュートは4.7本のアテンプトで成功率39.3%と大きなインパクトを残している小川。「2年後にまたBリーグの舞台に戻ってきたいと思っているので、良い意味で相手から嫌がられるプレーヤーになることが大事だと思っています。チームから重宝されるプレーヤーとなるためにも、この2年間は大切になってくると思います」と未来を見据えている。

2年前に加入した時の課題は「得点を取ること」だった。今回はその課題に及第点を与えても良いプレーができるようになった。そし現在直面している新しい課題を克服できれば、さらなる成長を遂げられる。

取材の最後に、前節からイメージチェンジしたヘアスタイルについて聞くと、小川は照れくさそうに語ってくれた。「外国籍選手みたいなクルクルの髪にしたくて、『KP(キアヌ・ピンダー)のようにしてください』と伝えたのですが、思ったより切られてしまい、周りから『チャイニーズK』って言われてすごいショックでした……」。20歳の等身大の青年が表れていた。