
「ディフェンスから流れを作ろうとしたができなかった」
2月8日、サンロッカーズ渋谷はアウェーで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。前日のゲーム1は序盤こそ主導権を握ったものの、第2クォーター以降で名古屋Dに流れを渡し敗戦。ゲーム2のこの試合は序盤から名古屋Dの強度の高いディフェンスに苦戦して第1クォーターで10-23とされ、そのまま点差を縮めることができずに59-84で連敗した。
試合後、ゾラン・マルティッチヘッドコーチは「最初から名古屋Dさんのほうが私たちより良いバスケをしていて、自分たちはカムバックすることができませんでした」と振り返った。
今節こそ連敗を喫したが、SR渋谷は1月に入ってから5連勝を達成し勝率を上げていた。シーズン序盤はディフェンス強度の維持を課題としていたが、徐々に改善されてきて失点を80点以下に抑える試合も多くなってきた。しかし、この試合では最後までチームが噛み合わず大量得失点差で敗れた。
12月中旬から先発に定着し、攻守に渡りチームを牽引しているジャン・ローレンス・ハーパージュニアはマルティッチヘッドコーチ同様に試合の入りを悔やむ。「序盤から相手のペースになってしまい、自分たちはディフェンスから流れを作ろうとしましたが、なかなかできませんでした」
マルティッチヘッドコーチ体制にチェンジしたSR渋谷は、堅いディフェンスからのトランジションバスケを意識しているのが見てわかる。前節までの直近7試合(6勝1敗)でのファストブレイクポイントは、すべて2桁で平均14.7点を記録していた。ハーパージュニアも「セットプレーを何度もするのではなく、ディフェンスリバウンドを取ったところから、しっかり走って自分たちらしいバスケをしようと考えていました」と速い展開を意識していたと話したが、ゲーム1は6得点、ゲーム2は8得点と、2試合ともファストブレイクポイントが伸びなかった。
逆に、名古屋Dの高速バスケにやられてしまったとハーパージュニアは続ける。「試合前から相手のファストブレイクを止めようと話していました。でも、速い展開から齋藤拓実さんや今村佳太さんに3ポイントを決められてしまい、逆に自分たちはシュートの成功率で苦しんだので、流れをつかめませんでした」

「自分がチームを引っ張っていかないといけない」
ハーパージュニアは、この試合で日本人選手トップの9得点、チームハイの3アシスト2スティールを記録した。持ち味のディフェンスでも激しくボールマンにプレッシャーをかけ続けて、流れを呼び込もうと駆け回った。端から見れば十分な奮闘だと感じたが、彼は自身のパフォーマンスに厳しい評価を下した。
「ポイントガードとして、プレーメークはまだまだ課題です。今日は相手のディフェンスに自分がしっかりとアジャストできなかったり、ペイントアタックできなかったりしました。昨日今日と名古屋Dさんのような強いチームと戦って、自分には足りないところがいっぱいあるなと感じました
昨年、日本代表デビューも果たし、プレーヤーとして多くの経験を積んでいるハーパージュニアは、プレー面だけでなくメンタル面でも成長を見せている。この試合でも自らチームメートに声をかける場面が何度もあった。「自分たちらしく速いバスケをしようと声をかけていました。特に狩野(富成)は自分と一緒で若いので、どんどん挑戦していこうと話していました」
「スタートのポイントガードとして出ている以上、自分がチームを引っ張っていかないといけないです」と、この試合の翌日に23歳の誕生日を迎えた若者とは思えない力強さで、責任感が増してきたと話す。それと同時に自分らしさを表現することにもフォーカスしている。「ただ、ルーキーらしくフレッシュに戦うことも大事なので、考えすぎずに思い切りよくプレーすることが一番です」
SR渋谷は現在15勝22敗と苦戦しているが、レギュラーシーズンはいまだ23試合を残している。そして、シーズン前半戦に比べて、自分たちのやるべきバスケが見えてきた。ハーパージュニアは「堅いディフェンスから、みんなでしっかり走って攻めるバスケを目指しているので、日々成長していきたいです」と、下を向かずに今後の巻き返しを期する。
ルーキーとしては重責ともとらえられる役割を与えられているが、それ以上に伸びのびとプレーを続けているハーパージュニア。今経験していることが持ち前の身体能力を生かすプレーに繋がっていくだろう。チームを勝たせるポイントガードに成長して、いずれ日本を代表するプレーヤーへ。ハーパージュニアは多くの可能性を感じさせてくれる選手だ。