富樫勇樹

「惜しいところでもう一本が来なかった」

千葉ジェッツはアルバルク東京をホームに迎えた一戦を73-75で落とした。

そのスコア以上に緊張感の高い守り合いとなり、点差は大きく開かずに最後まで拮抗した。当然ながらスタッツも大差はない。強いて挙げれば、フィールドゴール成功率がA東京の44.8%に対し36.1%と低調だったことが敗因となった。だからこそ富樫勇樹も「すごく悪かったというよりは、惜しいところでもう一本が来なかったという印象」と振り返る。

実際に残り8秒で放ったナシール・リトルのミドルシュートが決まっていれば逆転できたし、ディー・ジェイ・ホグのラストショットが決まっていれば延長に持ち込めた。トレヴァー・グリーソンヘッドコーチも「試合が進むにつれて我々の状態はどんどん良くなっていき、第4クォーターのディフェンスは非常に良かった」とディフェンス面は評価したが「コンタクトがある中でのフィニッシュを改善しなければなりません」と、あと1本の部分について言及した。

千葉Jは大黒柱のジョン・ムーニー、アジア特別枠のマイケル・オウが離脱したため、ジェフ・ギブスとクエンティン・ミロラ・ブラウンを緊急補強した。徐々に連携は上向いているが、当然ながらこの短期間ではチームが理想とする水準には達していない。富樫も「探りながらやっている感じ」と言葉を濁す。特にスクリーンなど、インサイド陣のオフボールでの動きは連動したチームバスケットに欠かせない。もちろん、なんらかのアクシデントにより渡邊雄太が5分55秒の出場に留まったことも影響しただろうが、個で打開する場面が多く見られた。 富樫も「1対1が多かったイメージ」と振り返るが、「相手がスイッチしてきているのでそこはしょうがない。こっちもスイッチしている中で相手も攻めあぐねていた」と、それを個人の打開力不足で片付けることはしなかった。

今回の敗戦により、首位の宇都宮ブレックスとは0.5ゲーム差となり、4位のA東京とのゲーム差は1に縮まった。まだレギュラーシーズンは20試合強残っているが、富樫は本日の第2戦をただの1試合と見ていない。「地区1位になるという目標がある中で、まだまだ自分たちはチャンスがあるチームです。明日の試合での勝ちは相当大きな一勝になるってことは全員が理解しているので、もう一回切り替えて臨むしかないです。負ければ順位もA東京とひっくり返りますし、CS(チャンピオンシップ)を争う中で同率になる可能性もある。ホームコートを取るためには、必ず勝たなきゃいけない試合かなと思います」

もちろん、悔しさはある。それでも富樫は試合の内容や結果に一喜一憂するのではなく、その先にあるシーズンの行方を見据える。現実を受け止めた上で前へ進もうとする強い意志を持つ富樫は今、レギュラーシーズンの分水嶺に立つ。