
シクサーズは指名権を得るとともにサラリーを削減
昨シーズン序盤のセブンティシクサーズは絶不調だった。開幕からジョエル・エンビードとポール・ジョージを欠いてリーグ下位に沈み、2人が復帰してもなかなか調子は上がらなかった。この時期、フィラデルフィアのファンに希望を与えたのが、ルーキーのジャレッド・マケインだった。常に動き回ってパスを受け、思い切りの良いシュートを放っていく彼は、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの候補にも挙げられた。
しかし、開幕から2カ月でマケインは左膝の半月板断裂でシーズン終了となった。今シーズンは右手親指の靭帯を痛めて出遅れ、その間にルーキーのVJ・エッジコムにポジションを奪われた。コンスタントに出場を続けているものの、プレータイムは激減。以前のように彼にチャンスをお膳立てされるわけでもなく、得点は昨シーズンの15.3から6.6へと落ちている。
そして現地2月4日、シクサーズはマケインをサンダーに放出するトレードをまとめた。対価として1巡目指名権1つと2巡目指名権3つを得る。1巡目指名権は今年のロケッツのもので、高い順位になることは期待できないが、マケインの年俸負担が外れることでシクサーズはラグジュアリータックスから解放される。
サンダーは多くの指名権と使いきれないほどの若手を擁し、チームを強化する選択肢はいくらでもあるにもかかわらず、ここまでトレードを行ってこなかった。前年王者ではあるが、チームにまだ伸びしろはあり、今のロスターでもっと強くなれると確信している。
今のサンダーは、大きな動きをしなくても資産を増やしていくフェイズにある。今年のクリッパーズの1巡目指名権を保有しており、クリッパーズがジェームズ・ハーデンを放出して戦力を落としたことで、この指名権はロッタリーへと価値を上げる可能性がある。シクサーズの1巡目指名権も持っており、プレータイムを失ったもののセカンドユニットの得点源になれるマケインを引き抜くことで、この指名権の価値も上がることが期待される。
そしてマケインは、フロアを広げてアウトサイドシュートで得点をもたらす選手としてサンダーにとっては有用だ。彼自身は強力なチームで厳しい生存競争を勝ち抜かねばならない立場に置かれるが、シクサーズでローテ外のままでいるよりも、チームとして完璧な機能性を持つサンダーの方がシュートチャンスは多く、復活の足掛かりを得られる。
サンダーからすれば、ルーキー契約のマケインは安価かつ将来性のある戦力で、機能しなかった場合のリスクも最小限で済む。今回もまた、サンダーの巧みなチーム作りを印象付けるトレードとなった。