
「別れの時が来るまでは、いつも通りに仕事をする」
現地2月3日、ウォリアーズはセブンティシクサーズに敗れた。ステフィン・カリーを右膝の痛みで欠いたウォリアーズには覇気がなく、後半になってずるずると離された。これでピストンズ戦に続きホーム2連敗。直近の7試合で2勝5敗と不振に陥っている。
ヘッドコーチのスティーブ・カーは、そうであってはならないと前置きした上で、トレードデッドライン目前で選手たちがプレーに集中できていないと話した。
ヤニス・アデトクンボ獲得が噂され、それが実現しなくても何らかの補強は行われるだろう。いつトレードを言い渡されてもおかしくない状況で、集中を保つのが難しいのは間違いない。
NBAキャリア14年目の大ベテラン、ドレイモンド・グリーンにとってもそれは同じだ。これまでもトレードの噂が出たことはあるが、彼は全く気にしなかった。しかし、今は違う。機能しないチームに大ナタを振るう必要があり、自分のトレードの可能性を実感して動揺している。
シクサーズ戦では彼のプレーも冴えなかった。試合後のメディア対応で彼は、自分の動揺を率直に言葉にしている。トレードの可能性を問われても否定せず、「トレードされる可能性がある。ただそれだけのことだよ」と答えるも、そこからは彼らしからぬ弱気な発言が続いた。
「それが今日か明日か、1年後か2年後かは分からないけど、いつかは終わりが来るものさ。その時には受け入れるしかない」
指揮官カーとの会話で「初めて実感が湧いた」とドレイモンドは認める。「コーチに調子を聞かれて『トレードの噂なんて変な感じだけど、問題はない』と答えたら、『奥さんはどう受け止めている?』と尋ねられた。その瞬間、これは本当なんだと思った。妻とは何も話していなかったけど、今日試合に来る途中で息子に『パパがトレードされたらどうする?』と聞いた。初めてトレードを話題にしたよ。息子は『なんで?』と聞き、僕は『これはビジネスだ。パパは一度もトレードされたことがないけど、誰にでも起こり得ることなんだ』と説明したけど、息子は『パパを放出するなんて理解できない』と言っていた」
2012年のNBAドラフト2巡目指名を受けてからウォリアーズ一筋でキャリアを築き、チームを『王朝』へと導いたコアメンバーの一人。NBAの酸いも甘いも嚙み分ける35歳だが、トレードは全くの未知の領域であり、そこに当惑している。
「ガイドブックもマニュアルもないから、どうすべきか分からない。だから別れの時が来るまでは、いつも通りに仕事をするしかない。試合に出て、家に帰って、また明日来る。僕にとっての日常をただこなすだけだ。みんな僕が怒っていると思っているようだけど、全くそんなことはない。チームにとって最善の道であれば、裏切られたなんて思わないよ」
「僕は13年半ここにいる。それはNBA選手の98%には経験できない長い期間だ。13年半で終わるのかどうかは分からない。でも終わるのだとしたら『最高の旅だった』というのが僕の気持ちだ。自分のキャリアには感謝しかない。それが終わるのかどうかは分からないけど、みんなと同じように結果を待つだけ。すべてのことにはいつか終わりが来ることを理解しながらね」
最後に「この試合がウォリアーズで最後の試合になると感じているか?」と念押しの質問をされたドレイモンドは「分からないけど、そうかもしれない」と答えた。「可能性についてあれこれ考えはしない。なるようにしかならないし、結果はもうすぐ分かる」