「僕の目標は、クリス・ポールの初優勝に貢献することだ」
ウォリアーズのドレイモンド・グリーンが『NBA TODAY』に出演し、キャリア12年目のシーズンに臨む今の心境を語った。
ウォリアーズはステフィン・カリーとクレイ・トンプソン、そしてグリーンを中心に4回優勝する『王朝』を築いたが、それは揺らいでいる。全員がベテランになり、高給を稼ぐようになって分厚い選手層を作るのが難しい。昨シーズンはグリーンがジョーダン・プールを殴打した事件に始まり、チームの結束力を保つのに苦労した。実績あるベテランと若手の融合のハードルがいかに高いかが、あらためて明らかになった。
グリーンは昨年10月にプールを殴った後、自主的に1週間チームを離れた。彼はこの時のことを振り返り、「自分が正しい道に戻れるかどうか、確信を持てなかった」と語る。「僕は過ちを犯したし、起きたことは変えられない。でも、NBAで4回優勝したあとで『お前がチームのガンだ』とか『年俸に見合わない』と言われ、世間から敵視されて、自分がどう立ち向かえばいいのか、正直分からなかった」
彼には助けが必要だったが、彼の起こした事件を考えればウォリアーズの誰かが手を差し伸べるわけにはいかなかった。この時、彼を助けてくれたのは母校であるミシガン州立大のコーチ、トム・イッツォだった。グリーンは言う。「10月は本当に難しい時期だったけど、彼は毎日毎日『大丈夫か?』と電話をくれた。ああいう状況になると自分を支えてくれる人が必要なんだけど、僕が助けを求めた時にはいつもそこに彼がいてくれた」
こうして彼は立ち直るきっかけを得て、コート上で彼らしいディフェンスとプレーメークを重ねることで自信を取り戻していく。それでも「起きたことは変えられない」のは事実で、ウォリアーズの次世代を担うはずだったプールはその道を外れて退団することになった。グリーンの殴打が壊したのはプールだけでなく、『王朝』を築いた選手たちが元気なうちに若手を育てる長期戦略そのものだった。今のウォリアーズは世代交代を放棄し、主力が衰える前にどれだけの成果を残せるか、という状況にある。
グリーンはそれを理解した上で、ウォリアーズはもう終わりだ、という世間の評価に抗おうとする。「あまり数字にはこだわりたくないんだけど、僕らがマイケル・ジョーダンの6つのタイトルに並ぶことができないと決めつける理由が分からない。レイカーズは僕らを止めたけど、それが続くとは思わない」
将来を担うプールに代わってチームに加わったのは、38歳の大ベテランであるクリス・ポールだ。クリッパーズの、ロケッツの司令塔としてウォリアーズを公然と敵視してきたポールのことをドレイモンドは「彼のことが大嫌いだった。10段階で言うと11だ」と言う。それでも彼らは頻繁に連絡を取り合い、一緒に戦うことを楽しみにするようになり、今では「僕の目標は、クリス・ポールの初優勝に貢献することだ」と言えるほどになった。
グリーンは語る。「僕らはこのチームをもう一度ひとつにまとめなければいけない。誰も僕らのチームは壊せない。1人とか2人は壊せても、チームを壊すことはできない。それが僕らを無敵のチームにしたんだ」