「我慢強くソリッドに守っていくのが越谷というチーム」

「大差をつけられ負けてしまい、観に来てくれたファンの方たちに申し訳ない思いが強い試合でした」。横浜ビー・コルセアーズをホームに迎えての第20節で、63-92と大敗を喫した越谷アルファーズ。先発でチームを支えた鎌田裕也は、試合後の記者会見で悔しさをにじませた。

インジュアリーリストに登録されていたビッグマンのカイ・ソットが、前節から復帰。復帰直後な上に、ゲーム2で負傷退場していたため、今節のソットのコンディションが万全でないことは明白。さらにインサイドを担えて、前節で好調だったジャワラ ジョゼフが欠場となり、鎌田にかかる期待は大きかった。

「自分がスタートから出て、相手のやりたいことを崩していくためにショーディフェンスなどアグレッシブなことをやっていくのが、竜三さん(安齋竜三ヘッドコーチ)のプランでした。その通りに最初はできていたと思います」

自身の役割を認識して、2試合連続での先発の役割を果たすことが序盤にはできていた。しかし、試合を通じて遂行しきれなかったと鎌田は話す。「ただ、そこから段々とうまくいかないことが続いてしまいました」

前節の茨城ロボッツ戦は、接戦を制して連勝を果たした。特にゲーム1は最大18点のビハインドをひっくり返して、延長の末に勝利を手にした。チームとしての我慢強さを感じられた試合だったが、この試合ではディフェンスが崩壊したところから、オフェンスでもリズムを崩し、後半の得点差は広がる一方だった。

前節との違いについて、今節は良くないパターンに入ってしまったと鎌田は話す。「徹底しきれなかったです。これまで負けてしまった試合は遂行力がなく、オフェンスでもディフェンスでもやられてはいけないことをやられてしまっています。しっかり守ってタフショットに持っていけたらOKみたいなところまでいかないと、こういう点差になるかなと」

自分たちが何をすべきで、何をすると負けてしまうか認識はしている。勝ちパターンに持っていくため、自分たちの本来の姿を見せていく必要があると続ける。「やるべきことを徹底して我慢強くチームとしてソリッドに守っていくのが越谷というチームなので、その色をどれだけ出せるかが今後の試合に勝つために必要なことです」

「フィジカルにコンタクトをするのは当たり前」

鎌田は197cm115kgでビッグマンとして決して身長があるわけではない。この試合でマッチアップが多かった横浜BCのケーレブ・ターズースキーは212cm。実に15cmの身長差があるが、体重は鎌田の方が重く、持ち前のフィジカルで渡り合っていた。

「フィジカルにコンタクトをするのは当たり前です」と語る鎌田にとって、このようなマッチアップはキャリアを通じて日常茶飯事である。十分に健闘していると見えたが、鎌田自身はもっとできることがあったと振り返る。「オフェンスリバウンドを獲られてしまったのは自分の責任でした。 もっともっとファイトして、最悪ファウルを使ってでも止めるということが、徹底しきれていなかったです」

その言葉を聞いて、ファウルトラブルを避けるために持ち前のフィジカルが生かしきれなかったのか気になった。試合の序盤、第1クォーターの残り7分28秒。横浜BCのキーファー・ラベナの3ポイントシュートが外れ、ゴール下でターズースキーをボックスアウトしようとした鎌田にファウルの笛が吹かれた。

鎌田は「ファウルじゃないよ」と言わんばかりに人差し指を振った。このジャッジが、そのあとの強度に影響があったか鎌田に問うと「そんなことはなかったですけど、 あれで(自分の中で)線引きをしたのは多少なりともありました」と気持ちの部分では、いつも通りだったと言う。

鎌田の今シーズンの平均出場時間は12分37秒で、全試合でコートに立っている。昨シーズンまで過ごした川崎ブレイブサンダースでは、繋ぎ役としての出場が多かった。プレータイムも長くなく、不出場の試合もあったが、今シーズンから越谷に移籍して、出場機会が増えたことで責任も増している。

「長いプレータイムをもらっている中で、期待に応えないといけない気持ちはあります。自分の仕事をどれだけやり切れるかが、チームのためになりますし、カイが戻ってきたので互いのプレーの棲み分けを考えながら、どういうことがチームに合うのか自分の中で整理して貢献できたらと」

35歳のベテランとなったが、チームの力となるべく奮闘は続く。チームは12勝21敗と成績を伸ばしていないが、力があることを見せている試合も少なくない。他の選手には真似できない唯一無二な鎌田の存在が、苦しい現状を超える原動力となるはずだ。