
「逆に良さはたくさん出ていたと思います」
B1のレギュラーシーズンは中断期間を経て後半戦へと突入した。佐賀バルーナーズはアルティーリ千葉と対戦して2連勝をマーク。ゲーム1の試合当日にジョシュ・ハレルソンの負傷が発表され、前半途中に金丸晃輔が離脱と苦しいチーム事情となったが、後半に入るとディフェンスの強度を上げて14個のターンオーバーを誘発。そのターンオーバーからの得点は、試合を通じて31得点とゲーム1勝利の最大の要因となった。続くゲーム2では第2クォーター残り1分半から6-0のランで抜け出すと、ハーフタイムを挟んだ第3クォーター開始早々に8-0のランに成功し、56-40と突き放した。第4クォーター残り2分半には1ポゼッション差まで詰め寄られるが、ファウルゲームを凌ぎきりレギュラーシーズン後半戦を幸先よくスタートした。
ゲーム2でシーズンハイの21得点、そして4アシストと佐賀の攻撃を牽引したのが角田太輝だ。主力選手の相次ぐ離脱で戦力ダウンは免れなかったが、特別指定選手として加入した轟琉維とともにコンボガードとして、その穴を運動量でカバーした。
「特にジョシュはインサイドのディフェンスを担ってくれていたので離脱は大きいですが、逆に自分たちの運動量のところを存分に出せるかなと思っていました。金丸さんがいないことは本当にオフェンスのアドバンテージが、一つなくなることを意味していたのですが、今できる強みを前面に出しました。ペイントアタックする選手がコートに立つ状況になったので、逆に良さはたくさん出ていたと思います」
角田はそのように語り、自身がシーズンハイの21得点を稼いだことについては「今は轟もいますし、本当にハンドラーとしてズレを作ってくれる選手が何人もいるので、自分がダメだったらパスを捌く、行ける時は自分でしっかりシュートに行くということを意識しています」とメリハリをつけた結果だと言う。

角田の成長を支える指揮官の言葉
佐賀の得点源はタナー・グローヴスやレイナルド・ガルシアといった外国籍選手が中心となっている。しかし、角田も平均8.6得点という得点力に加えて日本人リーグトップの5.8アシストを記録し、チームの中核を担っていることに違いはない。宮永雄太ヘッドコーチも「太輝(角田)には『自由にやっていいよ』と常々伝えている」と話すように成長する土台は整っている。
そんな角田は今シーズン、外角のシュートに苦戦しており、3ポイントシュート成功率はここまで23.7%と本調子とは言えない状況が続いているが、ショットクロックが少ないシチュエーションでもフィニッシュを任されることも多い。そこには「シュートが入ろうが入るまいが、それは良いジャッジをしていれば次に繋がる」と語る、指揮官からの信頼の厚さも起因しているのだろう。
「今シーズンは3ポイントシュートが本当に悪いので、そこで躊躇してしまうところはありましたが、今はマインドを切り替えて、打てるところは打つことを意識しています」と話すように積極性は消えない。その積極性に加えて、自身の3ポイントシュートの低調、主力選手の離脱という現状をポジティブに変換してプレーの幅をさらに広げようとしている。「ペイントタッチ、インサイドにアタックするっていうところを今はテーマにしていて、そこからオフェンスを組み立てていくという、マインドチェンジをしています」
この柔軟なポジティブマインドが成長を後押ししてるのだろう。角田はプロ入りしてから、地元佐賀一筋でプレーを続けるフランチャイズプレーヤーだ。2024年にはアジアカップに出場する日本代表候補選手にも名を連ねるまで成長した。地域密着を掲げるBリーグにあって地元出身選手として活躍できる選手は一握りで、その中でも主力として活躍する選手はさらに稀な存在と言っても良い。
大事な局面でシュートを任される存在になるのは決して簡単なことではなく、指揮官に加えて仲間たちからも信頼されるプレーヤーでなくてはならない。しかし、角田はその信頼を勝ち取っている。彼が成長することを止めない限り、リーグを代表するフランチャイズプレーヤーと呼ばれる日もそう遠くないだろう。