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ブルズ時代の恩師ティボドーが率いるウルブズが有力?

昨年の夏からデリック・ローズの周囲は慌ただしい。

ブルズが生え抜きのエースをニックスにトレードしたのは昨年7月のこと。度重なるケガと手術を繰り返したヒザの影響により、かつての爆発的なスピードを失ったローズを放出し、ジミー・バトラーを中心とした新たなチーム作りへと舵を切った。

それでもローズの人気は衰えず、その動向は常に注目され続けている。ニックスで迎えたシーズン開幕から往年のキレを取り戻したかのようなパフォーマンスを続けて周囲を喜ばせたのもつかの間、チームに何も告げず試合を欠場する『無断欠勤』という行動に出て周囲を騒がせた。

この騒動は、シカゴに残してきた家族に会いたいという理由からのものだったが、その後はメンタルの弱さを指摘され、指揮官との不仲も取り沙汰された。ただ、その後は緩急を付けた円熟味のあるプレースタイルが形になり、最終的には2011-12シーズン以降ベストの平均18.0得点を記録した。

ローズ本人も手応えを感じており、ニックス残留を希望として挙げつつも、このオフには提示されるオファーすべてを検討して去就を決める構えを見せている。

そんな中、ティンバーウルブズとスパーズが、ローズの獲得に関心を持っていると『ESPN』が伝えた。

ウルブズは、ブルズ時代の恩師トム・ティボドーが指揮を執るチームで、再建を進めているこれからのチーム。一方のスパーズは、グレッグ・ポポビッチ率いる常勝軍団で、ティム・ダンカンが引退して初めて迎えたシーズンながら年間61勝、西カンファレンス決勝まで勝ち進んだ。

ウルブズとスパーズの補強ポイントはポイントガードの底上げ。ウルブズでは、シーズン中からリッキー・ルビオとローズのトレードの噂が耐えなかった。ルーキーのクリス・ダンは平均3.8得点、2.4アシストと期待外れの結果に終わり、まだNBAレベルで先発を任せられるだけの力はない。ルビオの去就は別として、ローズを獲得できれば問題は解消する。何より、ローズの良い時も悪い時も知っているティボドーなら、ローズ完全復活の期待も高まる。

スパーズは、トニー・パーカーの後釜探しに本格的に着手する時期を迎えた。プレーオフに入り個人スタッツを上げたパーカーだったが、ロケッツとの準決勝第2戦に左足の大腿四頭筋の腱を断裂する重傷を負ってしまった。復帰時期は未定だが、35歳という年齢を考えれば、シックスマン転向の時期とも言える。バスケットボールIQの高いローズであれば、スパーズのシステムにも問題なくフィットできるはず。カワイ・レナード、ラマーカス・オルドリッジを中心に据えるチームの今後は安泰で、もしローズが優勝を望むのなら、スパーズは理想的な環境だ。

キャリアの後半に突入したローズが何を優先して新天地を決めるのか、今後の推移を見守りたい。