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「今の自分があるのはステフとの1対1のおかげ」

NBA5年目にしてマーベリックスで定位置を確保しつつあるセス・カリーは、これまで兄ステフィンの背中を追い続けてきた。

ステフは2015年と16年にシーズンMVPを受賞し、2015年にはウォリアーズの40年ぶりの優勝に貢献。今ではキャバリアーズのレブロン・ジェームズと並び、NBAを代表するスーパースターとしての立場を確立した。

そんな偉大な兄を持つセスは、ステフと同じシューターとして着実に成長を重ねている。今シーズンはキャリアハイの70試合に出場し、そのうち42試合に先発出場。平均得点も2015-16シーズンに記録した6.8得点から12.8得点と倍増、3ポイントシュート成功数も昨シーズンの50本から137本にまで増やしている。

プレーオフ進出こそ逃したものの、26歳のセスは充実した1年を送った。テレビ番組『Undisputed』に出演した際、ステフとの比較について聞かれると「自分の方が良いシューターだと思うよ」と笑顔で答えた。

その一方で、兄への尊敬を込めてこう話してもいる。「家の庭で兄とは1対1で何度も対戦しているけど、五分五分かな。良いバトルだったよ。今の自分があるのはステフとの1対1のおかげ。兄と対戦することで自分の力を磨いてきた。兄の練習に対する姿勢も含めて、多くの部分で手本となっている」

2人は経験も実績も同じレベルにはいないため、NBAでの成績を単純に比較する意味はない。それでも着実に選手としてレベルアップし続けているセスは、来シーズンはシーズンを通じて最も成長した選手に贈られるMIP(Most Improved Player)賞の候補に挙げられるかもしれない。

総体的にはステフの方が上という意見は当然あるとして、『ピュアシューター』としての評価でなら、今後数年でもしかすると同等か、兄以上の存在になれる可能性も秘めている。最高のライバルでもある兄を超えるため、セスは今年のオフもレベルアップに取り組む。