
延長でウォリアーズを撃破「自分のプレーをしたまで」
現地12月28日、ラプターズはホームでのウォリアーズ戦を延長の末に141-127で制した。ヤコブ・パートルが腰を痛めて欠場し、一方でRJ・バレットが1カ月ぶりに戦線復帰したこの試合、指揮官ダーコ・ラジャコビッチはスコッティ・バーンズをセンターに置くスモールラインナップを採用。ウォリアーズのペース&スペースに対抗した。
スモールラインナップに加えて、ドレイモンド・グリーンが3ポイントラインから出たら捨てるという戦術的選択をしたのだが、これはグリーンに4本の3ポイントシュートを決められ裏目に出た。こうして10点前後のビハインドが続いたが、第3クォーターのラスト1分45秒を無得点に抑えたところからラプターズが流れに乗る。
ディフェンスの強度が上がり、第3クォーターまでの100失点から第4クォーターは相手のアシストを3に抑えてターンオーバー6を引き出して、22失点しか与えずに延長に持ち込む。主力の高齢化が進むウォリアーズの運動量が落ちたオーバータイムは、ラプターズが19-5と圧倒した。
バーンズは42分の出場で23得点25リバウンド10アシストのトリプル・ダブルを記録。慣れないセンター起用で第1クォーターは2得点しか奪えなかったが、8リバウンド5アシストと得点以外で貢献。次第にシュートも決まりだした。
第4クォーター残り24秒、同点に追い付いた得点もバーンズが決めたもの。ブランドン・イングラムの3ポイントシュートがリムに嫌われたところをタップで押し込んだ。「ブランドンが打った瞬間にリバウンドに飛び込んだけど、あとは何も考えていなかった。だから相手も予想できなかったんじゃないかな」とバーンズは笑う。「でも、勝つためには必要なプレーだった」
劣勢でもあきらめず、ディフェンスとリバウンドで身体を張って粘り強く相手に食らい付き、勝機を見付ければ躊躇せずに襲い掛かる。ラプターズの理想とするバスケを遂行した上で勝てたことにバーンズは胸を張る。「自分たちらしくあることがカギだった。プレッシャーを強め、ランダムにトラップを仕掛けてターンオーバーを誘い、自分たちの展開に持ち込んだ。瞬時に判断して、思い切ってプレーできたことで逆転できた」
トリプル・ダブルについては「自分のプレーをしたまでだ」とバーンズはあまり気にしなかった。そして指揮官ラジャコビッチは「バーンズのスタッツはすごいが、スタッツよりもチームが必要とした瞬間に試合を支配したことこそ素晴らしかった。チーム全体が粘り強く戦ったが、スコッティがリバウンドとディフェンス、プレーメークでその先頭に立った」と、スタッツよりも試合に対する影響力の大きさを称えた。
バーンズをセンターに置くスモールラインナップは緊急避難的な措置で、高さとパワーのあるパートルが復帰すれば彼がスタメンに戻るだろう。それでもイングラム、バーンズ、バレットとミドルレンジで仕事のできるタレントが多いラプターズにとって、フロアスペーサーの仕事ができないパートルをあえて外すスモールラインナップが強力なオプションとなる可能性がある。