「得点も決めてチームに貢献できました」

桜花学園は八雲学園を77-71で破り、ウインターカップの決勝へと駒を進めた。この試合、八雲学園のテウ・アダマをどう抑えるかがカギとなったが、本来マッチアップすべきイシボ・ディバインが前日の東海大学附属福岡との試合で膝を痛めてプレーできず。代役として先発起用されたのは2年生の水林夢翔だった。

「最初は初めてのスタメンで緊張をしました」と言う水林は、開始序盤からアダマに連続得点を許すも、上手くアジャストしてアダマを抑えるようになる。

「白( 慶花)コーチが留学生役として練習に入ってくれて、姿勢を低くして守ることを徹底してくれました。髙田(真希)さんが中国代表との試合で、大きい選手相手にディフェンスをしていた写真や映像などをよく見せてもらっていたので、それをイメージしてやりました」

そうやって水林はアダマに対して良いポジションを取らせず、平面の戦いで優位に立っていく。リバウンド面でもボックスアウトを徹底してアダマに簡単にボールを触らせない。アダマが絶対的なエースである八雲学園は、ここを抑えられたことでオフェンスが停滞。桜花学園が試合の主導権を握ることになった。

終盤に奮起したアダマを止められず、リードを溶かしてクロスゲームに持ち込まれるも、何とか勝利。50得点23リバウンドとアダマに活躍されたが、水林のハードワークがなければアダマはもっと活躍し、勝敗も変わっていたことだろう。また、これまでは控えとして繋ぎの役割しかやってこなかった水林が、ディバイン戦線離脱の危機に東海大学附属福岡戦では31分半、この日は33分の出場とインサイドを任され、試合をきっちり作った上で勝利に貢献したことも大きい。

この働きについて水林は、「リムランなど数字に残らないこともできましたし、得点も決めてチームに貢献できました」と、チームに貢献できたことを喜ぶ。

「自分は点を取る選手ではなかったのでが、地味なプレーでチームに貢献できるように、日々の練習からやってきました」と言う水林だが、この試合ではエースの勝部璃子に続く16得点も記録し、勝利の立役者となった。

インターハイ優勝にはディバインの攻守のパワフルなプレーがカギとなったが、その彼女が戦線離脱となった今、泥臭いプレーを厭わない水林が新たなキーマンとなっている。決勝でも献身的なプレーでチームを輝かせることに期待したい。