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レブロンのファウルトラブルで苦戦するも後半に逆転

東カンファレンス決勝は、第3戦を劇的な決勝3ポイントシュートで制したセルティックスの勝利により、盛り上がる兆しを見せた。だが、やはり王者キャバリアーズは勝負どころを心得ている。

5月23日に本拠地クイックン・ローンズ・アリーナで行なわれた第4戦、エースのレブロン・ジェームズが前半終了までにパーソナルファウル4回をコールされファウルトラブルに。それでも後半に逆転し、112-99で勝利。3年連続のNBAファイナル進出に王手をかけた。

思い切ったプレーができないレブロンに代わりチームオフェンスを引っ張ったのは、抜群の勝負強さを誇るカイリー・アービングだった。

キャブズが47-57で迎えた第3クォーター、アービングは9本のフィールドゴールを成功させ、同クォーターだけで21得点をマーク。第3クォーター残り1分49秒には速攻からランニングレイアップをねじ込む。このシュートの着地の際に左足首を捻り悶絶するも、アービングはプレーを続行。

第4クォーターには本来の姿を取り戻したジェームズが攻撃の中心を担うと、リードを2桁に広げたキャブズが追撃を振り切り、シリーズ3勝目をあげた。

ケガの影響が心配されたアービングだが、第4クォーターに入ってからもプレーを続け、残り38.7秒にはビハインド・ザ・バック・フェイクからレイアップという流石のプレーを披露した。

アービングはプレーオフでのキャリアハイを記録

試合後の会見で、圧巻だった後半のパフォーマンスについて聞かれたアービングは「準備を整えていたということ。メンタル面もそうだし、フィジカル面でも、恐れずにアプローチしているだけ」と答えた。

「レブロンのような素晴らしい選手がチームにいるなら、彼にプレーしてもらうだけでいい場合もある。たまに今日のようなケースもあるけど、そこでチームを引っ張るのが自分の役割だと思っている。コンスタントにアタックモードでいられるようにするのが自分の役目だから」

プレーオフでのキャリアハイとなる42得点をマークしたアービングは、チームメートへの感謝も忘れなかった。

「チームの素晴らしい守備があってのこと。皆のおかげでイージーなレイアップを決められるし、自分のアイソレーションでエルボー付近から仕掛けられる。皆のサポートがなかったら、今日のようにアタックするスペースは作れない」

もしセルティックスに2連敗を喫していたらシリーズの流れが大きく変わっていた可能性はあった。しかし、王者が地力の差を見せつけ、宿敵ウォリアーズが待つNBAファイナル進出まで、あと1勝に迫った。