
現地12月15日からトレードが可能に
現地12月3日、クリス・ポールはクリッパーズから放逐された。理由は様々取り沙汰されているが、勝てない現状を積極的に変えようとするポールの姿勢が、クリッパーズには受け入れがたいほど煩わしかったようだ。
今夏に復帰したばかりとは言え、かつての『ロブ・シティ』の中心選手でクラブの功労者であり、球団史上初の永久欠番も視野に入っていたポールを、引退ツアーの途中で放り出すクリッパーズのやり方には批判が集中した。ここまで6勝18敗、ポール放逐直後のホークス戦には勝ったが、その後は再び連敗し、カンフル剤としての効果もなかった。
ポール自身は解雇を告げられたタイミングで「家に送り返されることを今知った」とSNSに投稿し、続いて『ロブ・シティ』の仲間だったディアンドレ・ジョーダンとブレイク・グリフィンとオンライン通話で笑い合っている画像を投稿した以外は沈黙を守っていたが、『People』の取材に応じた。
「この数日はかなり慌ただしかったけど、今は自分の家にいて落ち着いているよ。娘は昨日トライアウトを受けた。甥っ子はバスケの試合があって、次は12日に息子の試合がある」とポールは語る。「僕は息子の試合を会場で見たことが一度もない。中学でも高校でもね。だから息子のプレーを見るのを楽しみにしているよ」
クリッパーズとのやり取りについては明言せず、「事態が勝手に大きくなっただけさ。人生とはそういうもの。今は家族と一緒にいられてうれしいよ」とだけ語る。
「何にせよ、今は平穏の中にいる。次にどういう展開があるにせよ、それが何であれ小さな役割をこなすチャンスが来ると思うとワクワクしているよ」
次の展開はクリッパーズがポールをトレードできるようになる、現地12月15日以降に起きる。クリッパーズがポールの代わりを見付けるのは難しくない。14.3分の出場で2.9得点、3.3アシストの小兵ガードはフリーエージェントでいくらでも補填できる。
一方で、クリッパーズが無視した彼のキャリアやリーダーシップは、それを必要とするチームにとっては極めて有用なものとなる。盟友レブロン・ジェームズとタッグを組み、レイカーズでNBA優勝を狙うのも手だが、ポールの個性は若いチームの指南役が最もハマるだろう。それは2019-20シーズンに1年だけ在籍したサンダーで、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーを始めとする若手たちが良い影響を受け、今に至る基盤となったことからも明らかだ。
開幕1カ月半で解雇された40歳の小兵ガードではあるが、彼を必要とするチームはいくらでもあるはずだ。クリス・ポールは心穏やかに、来るべき新たな展開を待ちわびている。