伏兵ブランデン・カールソンが地元での試合で大活躍
シェイ・ギルジャス・アレクサンダーがヒジの炎症で今シーズン初めての欠場となったことに加え、アレックス・カルーソとルーゲンツ・ドート、アイザイア・ハーテンシュタイン、アイザイア・ジョーも欠場。復帰5試合目のジェイレン・ウィリアムズは痛みを抱えながらのプレーを強いられており、サンダーの戦力は半減していた。しかし、ジャズを撃破するのに何の問題もなかった。
サンダーの選手層は分厚く、誰かが欠ければ別の誰かがステップアップする。この日は2年目のブランデン・カールソンの出番だった。2ウェイ契約の控えセンターは、第1クォーターの残り5分を切ったところでチェット・ホルムグレンに代わってコートに入ると、最初のプレーでアジャイ・ミッチェルからのパスを受け取ってターンしながらのダンクを決めると、その後の2分間で3本の3ポイントシュートを決めた。カールソンはユタ州サウスジョーダンの出身で、ユタ大のスター選手だった。地元のジャズ相手に気合いが入っていたのは間違いないが、期待を大きく上回るパフォーマンスを見せた。
第1クォーターで45-20と大量リードを奪ったサンダーは、その後も堅調な試合運びを見せる。ウィリアムズは25分の出場で25得点8アシスト、ホルムグレンは25得点9リバウンドを記録。2人は106-71と35点差で迎えた第4クォーターではベンチで試合を見守り、ケガ人続出で戦力不足のはずが、余裕綽々だった。
31歳にしてチーム最年長のケンリッチ・ウィリアムズは、ベンチから24分の出場で11得点7リバウンド6アシストとオールラウンドな働きを見せ、出場時間の得失点差+29と大きな仕事をした。試合後の彼は「ボールを動かし、全員がボールに触れて、自由にプレーする。僕らがチームとして築こうとしているバスケができたから楽しかった」と語る。
リング上に設置された演出用のスモークが誤動作で噴出され、ゲームクロックの誤作動もあり、試合が中断となるハプニングが複数回あった。「リトルリーグの時でもあんなことはなかったけどね」とウィリアムズは笑い、「異常な状況ではあったけど落ち着いていた。僕はもう31歳だから、リラックスして仲間と楽しくやるだけだよ」と続けた。
ヘッドコーチのマーク・ダグノートは、地元でのプレーで大活躍したカールソンへの称賛を惜しまなかった。「彼が入った時のリードはまだ小さく、試合がどう転ぶか分からなかったが、ベンチから出て一気にリードを広げてくれた。あの短い時間での猛攻が試合の流れを決定付けたんだ」
「彼は興味深いスキルセットの持ち主だ。ロールからダンクを決めることができ、シュート力があるからフロアスペーサーにもなれる。ファンダメンタルが身につき、フィジカルも強くなって、優秀なリムプロテクターへと成長している。地元での試合でああいう活躍が見られて良かった」
シェイが不在でも難なく勝利を収めたサンダーは、23勝1敗とリーグ首位を快走している。この後はスケジュールに余裕があり、ケガ人の回復も進むはずだ。前年王者に死角は全く見られない。
