
ペイトン・プリチャードが42得点「勝ちたかった」
セルティックスはジェイソン・テイタムを欠いており、今シーズンは期待できないものと見られていた。それでもここまで11勝9敗、しぶとく勝率5割を超えて、波乱の東カンファレンスで悪くない位置につけている。
現地11月30日のキャバリアーズ戦に117-115で勝利。連戦の2試合目とあってデリック・ホワイトとニーミアス・ケイタと先発2人が欠場したが、他の選手がその穴を埋め、前日にティンバーウルブズ相手に4点差で惜敗した悔しさを晴らした。
先発に抜擢されたのはサム・ハウザーとゼイビアー・ティルマンSr.の2人。ベンチスタートではあっても安定した働きを見せているハウザーはともかく、ティルマンSr.は11月に3試合、合計プレータイムわずか13分とローテーションから外れていたが、先発起用に応えて30分の出場で9得点6リバウンドを記録。スタッツ以上にチームのために身体を張る犠牲的精神を発揮し、ドノバン・ミッチェルとエバン・モーブリーのタレント力に圧倒されそうな時間帯を耐える原動力となった。
一方でこの状況でも先発起用のチャンスをもらえなかったのがアンファニー・サイモンズだが、彼はベンチユニットの得点源という自分の役割を理解し、限られたプレータイムの中で積極的にシュートを放ち、18得点を記録。ティルマンSr.とはまた違った形で、チームに求められる役割を全うした。
エースのジェイレン・ブラウンは前日に41得点を記録するも、チームを勝利に導くことができず。この試合ではフィールドゴール13本中3本成功とシュートタッチ不調に陥ったが、ミッチェルを抑えるディフェンスで存在感を発揮し、パスをさばいてアシストを伸ばしつつ、相手ディフェンスの出方によっては強引に仕掛けてフリースローを16本獲得して19得点。シュート不調でも攻守の中心としての存在感は消えなかった。
そしてペイトン・プリチャードはシュートタッチが絶好調。試合開始10秒で3ポイントシュートを決め、続く1分半でもう2本をヒットさせると、ファウルトラブルで出場時間を制限されながらもフィールドゴール22本中15本を決めて42得点を挙げた。
勝利を決めたコート上でのインタビューに引っ張り出されたプリチャードに浮かれる様子は全くなく、「昨日が最悪の出来だったから、何とか挽回したかった」と語る。ウルブズ戦では31分の出場で9得点とチームのブレーキになっていた。しかし、この日は同じ31分で42得点。「自分の持てる力すべてを注ぎ込んで、連戦の2試合目を勝ちたかった」とプリチャードは言う。
第4クォーター残り2分を切ったところで110-99と11点差。ここからミッチェルを中心とするキャブズの猛反撃を浴びたが、辛くも逃げきった。「相手はミッチェルと(ダリアス)ガーランドで、スター選手は必ずビッグプレーを決めてくるものだと思っておいた方が良い」とプリチャードは語る。「こればっかりはチーム全体で対処するしかないし、今日は良い仕事をして勝利を引き寄せられた。面白い試合展開だったよ。勝つ方法を見いだせて良かった」
欠場者が多く、バック・トゥ・バックの2試合目で敵地でのキャブズとの対戦。最初からあきらめてもおかしくない状況だったが、セルティックスは勝負にこだわった。チームを救う新星が現れたわけではないが、既存の戦力が一致団結し、それぞれの役割を全うすることでしぶとく勝利を積み重ねている。例年のような輝きはなくとも、セルティックスは『勝者のメンタリティ』を失ってはいない。