
ジェームズ・ボーレゴが暫定ヘッドコーチに
開幕から2勝10敗という不振を受けて、ペリカンズは指揮官交代を決めた。それでも、ウィリー・グリーンの解任は既定路線だ。昨シーズン終了後に球団副社長のデイビッド・グリフィンを解任し、ジョー・デュマースが新たにチーム編成を司るようになった。グリーンは契約こそ残っていたが、よほど良いスタートダッシュを切らない限りはその職に留まることはないと見られていた。そして今のペリカンズで、「良いスタートダッシュ」は不可能だった。
グリーンは2021年にペリカンズのヘッドコーチに就任。サンズのアシスタントコーチとしてNBAファイナル進出を支えた後、ヘッドコーチのチャンスを得た。勝てないチームを任され、「育てて勝つ」ことを求められたグリーンは、1年目にプレーインを勝ち抜いてプレーオフ進出を果たし、2年目はプレーインで敗れたものの、3年目に再びプレーインを勝ってプレーオフへと駒を進めた。
エースのザイオン・ウイリアムソンがケガを繰り返し、チーム作りの核が定まらないことで苦労が絶えず、今シーズンもデジョンテ・マレーは昨シーズンに負ったアキレス腱断裂で欠場が続いていた。ダイソン・ダニエルズやブランドン・イングラムもチームを去り、勝つための戦力に乏しかったのは間違いないが、4年目の昨シーズンは21勝しか挙げられず、5年目の今シーズンも上向く要素が感じられないとあっては解任もやむを得ない。
ペリカンズは今年のNBAドラフト当日に、来年の1巡目指名権をホークスに放出して、13位指名権を獲得。自前の7位指名権でジェレマイア・フィアーズを、13位指名権でデリク・クイーンを獲得している。クイーンはすでに才能の片鱗を見せているが、問題は1位指名権を手離していることで、今シーズンは勝つことにコミットしなければならない。
しかし、ザイオンは開幕から1週間で故障し、新戦力のジョーダン・プールも期待に応えられていない。マレーは年明けに復帰が見込まれるが、彼は戦線離脱中にペリカンズへの不信感を公言している。
グリーンは現場のトップとして不振の責任を取ることになったが、このチームで勝つのは相当に難しい。アシスタントコーチを務めていたジェームズ・ボーレゴが、今シーズンは暫定ヘッドコーチとして指揮を執る。