ステフィン・カリー

体調不良から回復、若いスパーズを手玉に取る大活躍

ステフィン・カリーは今もステフィン・カリーであり続けている。体調不良で3試合を欠場した後、現地11月11日の復帰戦はサンダー相手に20分の出場で11得点とふるわなかったが、翌12日のスパーズ戦では46得点と完全復活のパフォーマンスを見せた。

「1試合をこなしたことで体調はかなり良くなった。シーズン中の数日間で実戦のリズムを取り戻すのは本当に大変なんだけど、昨日とは比べ物にならないほど気分良くプレーできた」とカリーは言う。

前日はサンダー相手に手も足も出ない完敗で、試合後にはドレイモンド・グリーンが若手のエネルギー不足に怒りを爆発させた。ディフェンスに喝が入り、カリーの復帰でオフェンスも向上すれば、ウォリアーズはファンの知るチームの姿を取り戻す。

チームに必要な修正も加えられた。ヒザに痛みを抱えるジョナサン・クミンガとスピードに劣るクインテン・ポストをスタメンから外し、モーゼス・ムーディーとルーキーのウィル・リチャードを先発起用。ムーディーもリチャードも突出して良いプレーを見せたわけではないが、指揮官スティーブ・カーはチームに必要な変化をもたらした2人をしばらくは先発に据えると明言した。

「負けた時はそこから学び、変わらなければいけない」とカリーは言う。「高い目標を掲げるチームは変化を恐れてはならない。ラインナップの変更もあったけど、黙っていれば勝手に状況が改善するなんてことは起こらないんだから、アジャストが必要ならば適応してみせるんだ」

第1クォーターは14得点しか奪えず低調なスタートとなったが、ウォリアーズはそこから立て直した。「シュートは決まらなかったけど、前半が7点差で済んだのは幸いだった。良いシュートチャンスは作れていたから、あせることなくアグレッシブに攻め続けるだけだった」

前半のカリーは15得点を挙げたが、3ポイントシュートは6本中1本成功とタッチは良くなかった。それでも第3クォーターに3ポイントシュート3本成功を含む22得点と調子を上げて、チームを勢いに乗せた。「後半の最初にフリースローを得られたのが良かった。あそこから調子をつかむことができたと思う」と、何でもないフリースローがきっかけになったとカリーは語った。

ステフォン・キャッスル、デビン・バッセル、ジュリアン・シャンペニーとスパーズはさまざまな選手がカリーを激しくマークしたが、一度リズムに乗ったカリーは止められなかった。34分の出場でフィールドゴール25本中16本成功の46得点。3ポイントシュートは16本中5本成功と、前半の不振が響いて試合を通して良い確率とはならなかったが、その代わりにインサイドを攻めてフリースローを16本得る老獪さも発揮。あらゆる面において若いスパーズを翻弄した。

思わぬ体調不良に阻まれたが、それはもう過去のこと。ディフェンスで本来あるべき強度を取り戻し、オフェンスではカリーが帰って来た。アウェーでの連敗を6で止めるとともに、7勝6敗と再び貯金を作った。ここからウォリアーズが本来の強さを安定して発揮していけるかどうか、カリーのパフォーマンスがカギになるのは間違いない。