写真=Getty Images

ロケッツとの死闘を制した勢いを持ち込んだスパーズ

ウォリアーズとスパーズによる、西カンファレンスファイナル第1戦。前半で20点差を付けられたウォリアーズが、最大25点差を跳ね返すカムバック劇を見せた。

序盤は拮抗した展開となるが、第1クォーター残り5分を切ったところからスパーズが走る。ラマーカス・オルドリッジがドレイモンド・グリーンとのマッチアップを制し、中外効率よく得点を重ねる。ウォリアーズは自慢のパスワークが機能せず、ターンオーバーからの失点が続く。ステフィン・カリーもシュートタッチが悪く、遠距離3ポイントシュートがエアボールになるなど得点を伸ばせない。

30-16で始まった第2クォーター、カリーとケビン・デュラントがベンチに下がっている間に、スパーズがリードを広げる。ドライブからのキックアウトパスからマヌ・ジノビリが3ポイントシュートを沈め、カワイ・レナードの力強いドライブで得点を重ねる。残り7分52秒には、レナードが3ポイントシュートのファウルを誘い、この3本のフリースローを3本とも沈め44-19とリードを25点に広げた。

その後、カリーの3ポイントシュートやデュラントのフリースローなどで反撃を受けるも、最後のポゼッションでダニー・グリーンが3ポイントシュートを沈め、62-42で前半を終えた。

レナード負傷で流れが一変、ウォリアーズが反撃に出る

ところが、ここまで一方的なペースだったスパーズをアクシデントが襲う。76-55とリードした第3クォーター残り7分54秒、ジャンプシュートを放ったレナードが、シュートチェックのために踏み込んだザザ・パチューリアの足の上に着地してしまい、足首を痛めた。苦痛に顔を歪めながらフリースローは決めたレナードだが、そのまま交代を与儀なくされた。

これで浮き足立ってしまったスパーズに、ウォリアーズは容赦なく襲いかかる。カリー、トンプソンの3ポイントシュート、デュラントのダンクが決まり、レナードがコートを去ってからの3分半で18-0のランを繰り出した。

81-90と点差を1桁に縮めて始まった第4クォーターは、ウォリアーズの流れに。残り4分9秒、自陣でボールを受けたデュラントがそのまま持ち込んでレイアップを沈め、101-100とついに逆転する。

終盤のシーソーゲーム、最後はエースの得点が決め手に

ここからはスパーズも意地を見せ、オルドリッジやジノビリの活躍でシーソーゲームを繰り広げるが、攻撃力で上回るウォリアーズがカリーの一撃で勝負を決める。111-110で迎えた残り34秒、カリーがオルドリッジとの1対1の状況を作り出し、フリースローラインからのフローターを沈め3点差に。同点を狙ったオルドリッジの3ポイントシュートが外れ、113-111でウォリアーズが初戦を制した。

7本の3ポイントシュートを含む40得点を挙げたカリーだが、試合展開には反省しきり。「スムーズな試合運びだったとは言えない。相手の猛攻、ゲームのスピードに対応する方法を見つけないといけなかった。第1戦の勝ち方としては非常に良かった」と試合を振り返る。

また、逆転劇に必要な心身両面でのエナジーをチームに注入し続けたドレイモンド・グリーンは、立ち上がりにスパーズに圧倒された理由を、両チームの勢いの差だと説明した。ジャズとのカンファレンス準決勝をスウィープで勝ち上がった自分たちと、ロケッツと死闘を繰り広げたスパーズとの差、ということだ。それでも、もう心配はないとグリーンは言う。「完璧だった。最初に強烈なパンチをお見舞いされたけれど、それでも勝てたからね。これでガードを上げて戦うことができる。第2戦では今日よりも良い形で試合に入れるよう努力するよ」

一方、24分の出場ながら26得点を挙げ、前半の猛攻を牽引したレナードは「強い痛みがあって、プレーを続けることができなかった」と試合後にコメント。気になる第2戦以降の出場については「どうだろう。明日と明後日の状態を見て決めることになると思う」と語った。

相手エースの負傷があったにせよ、ウォリアーズにとっては記録的な逆転勝利。この20点差からのカムバックは、カンファレンスファイナル史上3番目に大きな点差からの逆転勝利となった。一方のスパーズは、勝てる試合をアクシデントから失った形に。トニー・パーカーに続きレナードまで失うのでは非常に厳しくなる。

第2戦はオラクル・アリーナで16日に行なわれる。