放出される可能性を残した契約を結び、5度目の開幕へ

ジョナサン・クミンガはウォリアーズと2年4850万ドル(約73億円)の契約を結んでチームに戻って来た。オフを通して契約交渉は難航し、結果として2年目にチームオプションが付いた。これはウォリアーズではなくクミンガが譲歩したことを示している。

だからGMを務めるマイク・ダンリービーJr.は「彼はウォリアーズでプレーすることを望んでいる」と笑顔で語ったが、それが本当かと質問されたクミンガは固い表情のまま「誰でも長期的にどこかに留まりたいと願うものだ。自分の将来がどのように決まるかは分からないけど、今のところはそれが僕の目標だ」と答えた。

契約延長は決まったが、そこにお祝いムードはない。保証された契約は1年のみで、これはウォリアーズがクミンガを中長期の構想に入れているのではなく、シーズン中にトレードの駒として使う可能性を示している。

だから彼は「自分の将来がどのように決まるかは分からない」と言うし、さらに「今回の契約が僕をどこへ連れていくか、それはいずれ分かることだ」と慎重に言葉を重ねた。

それでも、彼は厳しい状況を受け入れ、挑戦に乗り出す構えだ。「僕はこのシーズンに結果を出すことだけを考える。僕が自分自身に懸けることは、チームの勝利に貢献することでもある。結局のところ、僕はチームが勝つために頑張るんだ。その先に何が起こるか分からなくても、僕はここに戻って来られてうれしいし、幸せな気分でいる。チームメートのみんなも、僕が戻って来たことを喜んでくれた」

契約内容がどうれあれ、クミンガにとっての問題はチーム内での役割が明確ではなく、プレータイムも状況次第で大幅に変動することだ。指揮官スティーブ・カーは彼をチームの中心ではなく、チームの調子がアップダウンする中での調整弁と見なしている。カーがクミンガに大きな役割を与えるのは、ステフィン・カリーかジミー・バトラーが欠場した時であり、それを除けばクミンガの長所よりも短所に目を向け、大きなチャンスを与えようとはしない。

その犠牲を今シーズンも払う覚悟はあるか、と質問されたクミンガは、「僕はそれを犠牲とは見なさない。それに、そうはならないと思っている」と答えた。「僕は毎日ハードワークし、チームの勝利に貢献するために自分をベストの状態に高めていく。そういうメンタリティを持っていれば、犠牲だなんて感じないはずだ」

「僕は成長したい。バスケ選手としてもっと上手くなりたい。オフェンスだけ、ディフェンスだけじゃなく、あらゆる面で上達したいと思っている。僕はこのリーグで5年目を迎え、昔とは見える景色も違ってきた。キャリアを重ねたことで、今は準備が整ったと感じられるよ。オフはあまりプレーしなかったけど、トレーニングはしっかりやってきた。その成果はシーズンが開幕し、物事が上手く回り始めた時に見せられるはずだ」

今回、クミンガは背番号を00から1に変更した。「新しいことを試したいという気持ちで選んだ」背番号1で、クミンガは勝負のシーズンに挑む。