
昨シーズンのB1リバウンド王を獲得
約2シーズンにわたって指揮を執っていたルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチをシーズン終盤で解任し、再建に舵を切ったサンロッカーズ渋谷。長年クラブに在籍していたカイル・ベイリーアシスタントコーチを昇格させての新体制後のチーム成績は2勝6敗だが、指揮官交代のタイミングでのチーム改革が極めて困難であることは容易に想像できた。今シーズンはオフシーズンから着実にチーム作りを進め躍進を狙う。昨シーズンはチームの平均失点がリーグ2位と強固なディフェンスのスタイルは変わらなかったが、攻撃回数の少なさも影響してワースト3位という結果に終わった得点力を改善することが課題となる。そのために、今オフには昨シーズンのB1リバウンド王であるトーマス・ウェルシュをレバンガ北海道から獲得した。ジョシュ・ホーキンソンにかかっていたリバウンドへの負担が軽減され、3ポイントシュートのアテンプトが増えれば攻撃のバリエーション増加に繋がる。
また、新規加入のディディ・ロウザダはブラジル国内リーグファイナルMVPに輝くなど得点力に定評のあるフォワードで、さらなるオフェンス力アップが見込まれている。ベイリー体制になってから自由度が高くなったバスケットをチーム在籍最年長のベンドラメ礼生を中心に浸透させ、勝ち星を増やすことに期待したい。
スタッツ

予想スタメン

※掲載内容は9月29日時点のもの
得点、スティールとオールラウンドに活躍できるベンドラメと、昨シーズンに3ポイントシュート成功率を7シーズンぶりに40%台に乗せた田中大貴、新加入のロウザダらがオフェンスを牽引する。ホーキンソン、ウェルシュというリーグトップクラスのツインタワーがリバウンドを支配すれば、思い切りの良いオフェンスが展開され、リーグ屈指のオフェンスチームへと変貌することができそうだ。
所属選手一覧

※掲載内容は9月29日時点のもの
【注目選手】

ジョシュ・ホーキンソン
リバウンドの強さもさることながら、ディフェンスリバウンドを取った後でも先頭を走って相手ゴールに向かえる走力を併せ持つ、リーグ最高峰のビッグマン。ウェルシュの加入によりインサイドで身体を張るだけでなく、ガード陣とのピック&ポップから3ポイントシュートを打つ機会が増えることも予想され、今シーズンは内外での活躍が期待される。
【若手選手】

ジャン・ローレンス・ハーパージュニア
執拗で鬼気迫るオンボールディフェンスが持ち味のディフェンシブプレーヤー。『FIBA アジアカップ 2025』でもそのディフェンスから試合の流れを変える働きをした。オフェンス面ではペイントエリアに進入するドライブが得意で、今シーズンはビッグマンへの合わせのアシストも量産が見込まれる。セカンドユニットとして、試合のリズムにアクセントをつける存在として期待がかかる。
【新加入選手】

狩野富成
2023-24シーズンよりSR渋谷と契約をしていたが、同シーズンはB3の徳島ガンバロウズ、昨シーズンはB2の信州ブレイブウォリアーズに期限付き移籍をして出場経験を積んでいた。アジリティのあるビッグマンで、ヘルプサイドからのブロックショットの強さが最大の魅力。『FIBA アジアカップ 2025』の日本代表メンバーにも選出された注目選手だ。