
フリースローでエアボール「頭の中は真っ白でした」
川崎ブレイブサンダースは8月30日、越谷アルファーズとのプレシーズンゲームに臨み、序盤からリードを保ち続けて、74-63で勝利を収めた。
試合では連携ミスからのターンオーバーやハンドリングミスも目立ったが、チーム練習が始まったばかりとあって仕方のない部分だろう。プレーの遂行力は低かったものの、攻守の切り替えによるトランジションオフェンスを何度も繰り出せたのはプラス材料だ。
今オフの川崎は、外国籍選手やアジア枠を含め7名が新加入。ロスターの半分以上を入れ替える大幅なテコ入れを断行し、それぞれが積極的な仕掛けを見せていたのが印象的だった。201cmの大型フォワード、野本建吾もその一人だ。青山学院大を卒業後、NBL最終年から3シーズンに渡って川崎に在籍し、その後は秋田ノーザンハピネッツ、群馬クレインサンダーズを経て、実に7シーズンぶりの古巣復帰を果たした。
33歳とベテランの域に入った野本は、『ブレイブレッド』のユニフォームを身に着けた久しぶりの試合を次のように振り返った。「とどろきでのホームゲームは7年ぶりで懐かしい気持ちになり、最初はすごく緊張しました。後半からはだんだん良いプレーができましたし、チームとしても後半から走りたいバスケットができました。そこは継続していきたいです」
野本は前半途中、コートに立つといきなりオフェンスリバウンドを奪うなど、持ち前のハッスルプレーで存在感を示した。その後、シューティングファウルを獲得したが、最初のフリースローはまさかのエアボール。この時の心境を、「地に足がついていなくて、頭の中は真っ白でした」と苦笑いするほど、本人にとっても想定以上の緊張感があった。
また、在籍当時と変わらないとどろきアリーナやクラブハウス、練習施設について「最初は懐かしい気持ちでした。自分の記憶に残っていた匂いと同じで、帰ってきたなと思いました」と語った。

「強くなっていくにはまず、練習の質が大事」
2017-18シーズン終了後に川崎を離れた野本は、「再び戻ってくることがあるとは全く思っていなかったです」と語る。だからこそ今オフにオファーを受けた時は「一番はびっくりでした」と明かし、何よりも恩師に再び必要とされたことがうれしかったと続けた。
「川崎では大学卒業後の3年間プレーしました。当時ヘッドコーチだった北卓也さん(現ゼネラルマネージャー)には、バスケットだけでなく人間性も含め基礎からしっかり教えていただきました。川崎を離れ、徐々にステップアップしたことで、7年後に北さんから再びオファーをもらえたことは自分にとって本当に大きかったです」
前回の在籍時は20代前半の若手だったが、今は経験豊富なベテランとなった。「若い選手が多いので、自分が率先して行動し、チームを助けていきたいです」と意識も大きく変わった。
そして現在のチーム状況を踏まえ、質の高い練習の重要性を強調した。「去年からチームを再建していますが一からチームを作るのは大変です。強くなっていくにはまず練習の質が大事になってきます。正しい状況判断を素早く行い、その精度を高める取り組みを我慢強く続けていくことが重要で、自分がそれを率先してやっていきたいです」
「オファーをいただいたことへの恩返しをしたい。去年から勝利を増やしていくことが自分の大きなモチベーションです」と意気込む野本の川崎での第2章が楽しみだ。