
モンテネグロは後半失速「走ることさえ怠ってしまう」
2023年のワールドカップを制したドイツは、ユーロバスケット初戦でモンテネグロ相手に106-76の快勝を収めた。
前半はモンテネグロの健闘が目立った。ドイツにリードを許す時間帯が長くても崩れることなく、何度も押し返して点差を広げさせない。前半を終えて43-46と、負けてはいても1ポゼッション差。何かのきっかけをつかめばモンテネグロが試合をひっくり返しそうな雰囲気があった。
しかし、モンテネグロは第3クォーターに12-33と失速し、結果として30点差で敗れた。指揮官ボスコ・ラドビッチは「強豪と対戦する時に必ず出る課題だ」と固い表情で語る。「試合のどこかでオフェンスでもディフェンスでも戦うのを止めてしまう。106失点のうち50はセカンドチャンスと我々のターンオーバーからの得点だ。ピック&ロールを止められず、ボックスアウトをしない。走ることさえ怠ってしまう。40分間戦い続けなければ勝つことはできない」
ドイツとすれば、前半はリズムをつかめずフラストレーションの溜まる展開だったが、集中を切らさないことで『我慢比べ』を制した形だ。デニス・シュルーダーが21得点4アシスト、フランツ・バグナーが22得点8リバウンド、アンドレアス・オベストが18得点と活躍した。

シュルーダーの自信「目指すのは優勝だけだ」
この3人を筆頭に、ワールドカップ優勝メンバーの多くが今回も代表に参加している。シュルーダーは、開幕戦前日の会見で「どのチームも危険な相手で、自分たちのバスケに集中して試合を支配したい」と語っていた言葉通りのパフォーマンスを見せた。
6本中5本の3ポイントシュートを決めたオベストは「前半は苦戦したけど、相手ではなく自分たちにフォーカスすれば大丈夫だと思っていた。前半もオフェンスは問題なかった。ディフェンスを改善し、相手の攻撃を止めて走ることでリズムに乗れた。みんなプレーを楽しんでいたと思う」と語る。
ディフェンスを改善できた理由は、特別な戦術や選手起用ではないとオベストは言う。「前半より多くのエネルギーを出しただけだよ。今日は会場に空席が目立ったけど、それでも駆け付けてくれる熱心なファン、家族、また僕ら自身が奮起することで必要なエネルギーは得られる」
苦戦はしたが、それを乗り越える精神力の強さを発揮したことで、ドイツの雰囲気は良い。ワールドカップMVPのシュルーダーは力強くこう語っている。「かつての僕らは全く勝てないチームで、ベスト8まで行けば満足してたと思うけど、僕らのメンタリティは変わった。目指すのは優勝だけだ」