デマー・デローザン

「親友が頑張っているのだから、応援するよ」

ラプターズが球団史上初のNBAファイナル進出を果たした後、ラプターズのすべてのファンがこう考えたはずだ。

「デマー・デローザンは今、どういう気持ちでいるのだろうか?」

昨夏、ラプターズはスパーズからカワイ・レナードを獲得するため、デローザンをトレードで放出した。9年間所属した生え抜きの選手、『チームの顔』のトレードを成立させるまでの手法は多くのファンやメディアから批判されたが、結果的にこの決断は正しかった。

デローザンは『Bleacger Report』のインタビューに応じて、古巣がファイナルに進んだことに偽らざる気持ちを明かした。

「理解してもらいたいのは、カイル(ラウリー)は僕の親友ということ。その親友が頑張っているのだから、応援するよ。一緒に成し遂げようと何年も取り組んできたことを、彼は果たそうとしている。彼にはそのチャンスがある。チーム(ラプターズ)の何人かは、僕が彼らを応援しているのを知っているよ」

レナードを獲得したからラプターズはファイナルまでたどり着けた、という意見についてデローザンは「こういう話は内輪にしか言ったことがないと思うけど、これまでに僕が築いた土台がなかったら、何事も成し遂げられなかったと思っているんだ」と答えた。

「僕は戦った。自分を捧げた。チームの成功のために自分を限界まで追い込んだ。だから『多くのことを成し遂げられた理由は僕にある』と思わないといけない」

彼のコメントは強がりでもなんでもなく、チームに常勝時代をもたらしたからこそ言えることだ。前ヘッドコーチのドウェイン・ケーシー、デローザン&ラウリーのデュオを中心としたラプターズは、2013-14シーズンから5年続けてプレーオフに進出。年々勝利数を伸ばし、昨シーズンは球団史上初のカンファレンス首位でレギュラーシーズンを終えた。

それでもクラブは昨年のオフにケーシーを解任し、デローザンを放出した。そのトレードについても、デローザンはもう過去のことと気持ちを切り替えている。

「彼らの名誉のために言っておくと、きっと次の段階に進むために必要なことを考える時期だったんだよ」

一緒に戦うことはなくなったが、彼は今も親友とチームメートたちの成功を願っている。