ニコラ・ヨキッチ

FIBAルールのバスケにスターパワーが加わる魅惑の大会

現地8月27日に開幕するユーロバスケットは他大陸の大会と異なり、ニコラ・ヨキッチ、ヤニス・アデトクンボ、ルカ・ドンチッチとNBAのトッププレーヤーが参戦します。FIBAルールに適したチーム戦術に圧倒的なスターパワーが加わることで、NBAとはまた違ったバスケの魅力を味わうことができます。

パワーランキングでトップに選ばれたのはセルビア。オリンピックではアメリカと接戦を演じながら敗れたものの、試合終盤までリードを奪っており、ヨキッチを中心にしたオフェンスは、華麗なパス回しから精度の高いシュートが特徴です。高さとスキルで翻弄してくるスタイルはセルビアにしかできない唯一無二のバスケです。

これに続くのは2年前のワールドカップで優勝したドイツ。デニス・シュルーダーを中心にした継続性のあるチーム作りにより、ロスターには慣れ親しんだメンバーが並び、安定感のある戦いが期待できます。23歳のフランツ・ワグナーは、今やNBAでもトッププレーヤーに肩を並べようとする成長株。ドイツを優勝に導くキーマンになりそうです。

フランスはビクター・ウェンバニャマやルディ・ゴベアが欠場し、ゴール下に不安がある大会となります。それでもザッカリー・リザシェイやビラル・クリバリーといった若いNBAプレーヤーが数多く参戦し、直前の強化試合ではギリシャも倒して6連勝と、世代交代の最中にあるチームには飛躍の期待がかかります。

ギリシャはアデトクンボが加わることで、全く別のチームになります。誰も抵抗できない身体能力で暴れまわるアデトクンボに、ギリシャの特徴であるシュート力が加わることで、中でも外でも点が取れる好チームとなり、ディフェンスでも核が生まれてきます。対戦相手が講じるアデトクンボ対策に、どこまでアジャストできるかが勝ち進めるかのカギとなってきます。

ドンチッチのスロベニアはケガ人が多く、今回は期待値が低い状態での大会となります。スキルの高い選手が多いのがスロベニアの特徴で、オフェンス面では威力を発揮するものの、ディフェンスやリバウンドなどでも戦えるかどうかに不安が大きく、ドンチッチが個人技で圧倒することが勝利への前提条件になりそうです。