千葉経済大学附属に快勝、桜花学園との接戦を演じる
『U18日清食品トップリーグ2025』が開幕した。8月23日に長崎のHAPPINESS ARENAで行われた開幕戦では、慶誠(熊本県)が千葉経済大学附属(千葉県)に69-55の快勝を収めた。慶誠は翌24日にインターハイ王者の桜花学園(愛知県)と対戦。第2クォーターにリードを奪い、その後も優勢に立ったものの、第4クォーターに逆転されて70-73で敗れた。
慶誠の右田卓也コーチは「相手はインターハイのチャンピオンで、負けられない気持ちが強かったです。自分たちは挑戦者として楽しんで戦うだけで、気楽に戦ってリードを奪ったのですが、勝ちが見えてきた時に肩に力が入ってしまいました。経験の足りなさを感じる試合でした」と語る。
昨年の慶誠は初出場のトップリーグで4勝3敗と勝ち越して4位に食い込み、年末のウインターカップでは決勝進出と大きな飛躍を果たした。司令塔の岸希、オールラウンドに活躍できる留学生ロー・ジョバを筆頭に主力の多くが3年生で、彼女たちの卒業で戦力ダウンするかと思いきや、今年も強力なチームとなっている。敗れはしたが、桜花学園と終盤まで渡り合えたことは大きな自信となるはずだ。
「桜花学園さんとは昨年のトップリーグでも対戦させてもらいましたが、選手が入れ替わってもずっと強いチームで、私自身すごく勉強になりました。私も能力の高い選手を預かっている以上は結果を出すことが必要だと思っています」と右田コーチは言う。「選手たちも勝ち負けには常にこだわっています。『今年は強かったね』ではなく『慶誠はいつも強いよね』、『いつも良いチームだね』と言ってもらえるチームになりたいです」
澤田樹奈「逃げの姿勢に入っては絶対にダメ」
慶誠のガード、澤田樹奈は桜花学園との試合を「インターハイ優勝チームにここまで戦えたのは自信になりますが、競った時にもあせらず冷静にプレーするメンタルの強さ、上手さがやっぱり自分たちとは違うと感じました」と振り返る。
澤田は去年から上級生に混じって主力として試合に出ていたが、自分たちの代になって役割も責任も激増した。「去年はシューティングガードとして3ポイントシュートを打つことがメインでしたが、今年はゲームコントロールもやっています。本当を言うと苦手なのですが、自分がやらなきゃいけないので、意識して声を出すようにしています」
その澤田は司令塔を務めながらチームハイの19得点を記録している。「得点のできるガードになりたくて、点を取りに行く姿勢は見せられたと思いますが、ゲームコントロールではまだまだ課題があります。特に桜花学園の選手は誰がボールを持ってもキープ力があって、ゲームコントロールも上手くて、学ぶところが多かったです」
クラッチタイムの勝負強さも桜花学園から見習うべきだろう。勝敗を分ける場面でもチームでボールをシェアする慶誠に対し、桜花学園は竹内みやとイシボ・ディバインが「自分が決める!」という強い意志をプレーで表現して、チームに勝利をもたらした。
「相手にリードされていても逃げの姿勢に入っては絶対にダメだと感じました」と澤田は語る。「今日は競った場面でみんな足が止まって人任せになりました。最初は攻めの姿勢を出せていたのですが、疲れてきた時、相手にプレッシャーを掛けられた時に出せなくなってしまいました」
反省を述べつつも、澤田はこれからの戦いを見据えて前を向く。「やるからには勝ちたいですし、今日も勝てない試合ではありませんでした。トップリーグはまだ5試合あるので、試合をこなしながらそういう試合を勝ち切れるチームになりたいです」