夢の3冠に向けた戦いが始まる

琉球ゴールデンキングスは8月22日、メディアに向けた公開練習と記者会見を実施した。

昨シーズンはBリーグで準優勝、天皇杯では初の優勝、そして東アジアスーパーリーグ(以下、EASL)にも参戦し、4位という結果を収め、プレシーズンゲームを含め年間86試合を戦い抜いた琉球ゴールデンキングス。今シーズンもEASLへの参戦が決まっており、昨シーズンに引き続きタフなスケジュールを戦い抜かなくてはいけない。まずはアイランドゲーム『昌原LG Sakers(KBL)、アルティーリ千葉の2チームを招待したプレシーズンマッチ』に向けてチーム練習を行っているが、ジャック・クーリーはアメリカ代表として『FIBA アメリカップ 2025』に参戦していることもあり不在となる。またヴィック・ローとケヴェ・アルマも公開練習当日がチーム合流日となった。コンディション調整を考えるとアイランドゲーム初戦で戦力として考えるのは難しく、桶谷大ヘッドコーチも「ヴィックとアルマは難しそうだけど、タイムシェアしながらビルドアップしたいです」と語った。

琉球のロスターは2名が入れ替わっただけで大幅な変更はない、それだけに新規加入の佐土原遼、小針幸也がチームにフィットできるか、アイランドゲームは試金石の場となる。桶谷も「新規加入の2人が考えてプレーしなくてはいけないのでヘルプし、チームになじんで武器になれるような戦い方をしたい」とフォローをしながら様々なオプションを試す意向だ。

和気あいあいとした雰囲気で練習も進んでいたが、桶谷は「今はリアルトライアウトと位置付けています。選手はコーチの信頼を得られるかが今の時期で一番見られているところです。コーチの信頼を得ない限りにはローテーションには入ってこないです。セカンドユニットまでに入れたら良いということではなく、12名しか登録ができず、今回は2名が登録外になるので、雰囲気が良い中でも競争意識はちょっとずつ出てるかなと思います。外国籍選手が来たことでぼわっとしていたところが引き締まりました」と語るように、すでにチーム内での競争も始まっている。

新規選手もポジションを保障された状態で加入したわけではないが、とりわけ佐土原への期待は高い。それは今シーズンからレギュレーションの変わった天皇杯での活躍と、BリーグとEASLの同時進行で過密日程となるチームにタイムシェアをもたらす存在となり得るからだ。「佐土原はBリーグで勝つため、そしてヴィックを生かすということが獲得の大きな理由でしたが、EASLと天皇杯のレギュレーション対策という側面もあります。日本人ビッグマンがいるのといないのでは違うのはわかっていました。あとはジャックとの相性を考えたら佐土原が来てくれて非常にプラスになるんじゃないかなと思っています」

層が厚くなったチーム編成を受けて、桶谷は「今シーズンは自分たちが何かしらのチャンピオンになるためには、相手がどこなのか?ではなくて、昨シーズンの自分たちを越えることができたら、EASLも天皇杯もBリーグも勝てると信じています。この3つで勝てるチャンスがあると思っているからこそ、今シーズンはEASLもちゃんと狙っていきたいです」と3冠への意欲を口にした。

レギュレーションの変わった天皇杯、こちらもBリーグとは違ったレギュレーションのEASL、そしてBリーグとそれぞれの大会で違った戦術を用いて戦わなければいけないが、琉球にはこれまで培った土台と経験がある。そこに新たに加わった戦力がマッチすれば、3冠の夢も現実となるはずだ。