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左ひざを痛めて動けなくなったパーカー、長期離脱の恐れ

5月3日にAT&Tセンターで行なわれた西カンファレンス準決勝の第2戦、カワイ・レナードの34得点7リバウンド8アシストの活躍で牽引されたスパーズが、121-96でロケッツに快勝した。これでシリーズの対戦成績を1勝1敗のイーブンに戻したものの、スパーズにとっては今後のシリーズを大きく左右しかねないアクシデントが発生した。先発ポイントガードのトニー・パーカーが、第4クォーターに左足を痛めて負傷交代を余儀なくされたのだ。

第4クォーター残り8分52秒、ペイントへのカットインからジャンプシュートを放ったパーカーだが、左足で踏み切った時点で異変が起きていた。着地した後は左ひざを押さえて動けなくなってしまう。試合は数分中断され、パーカーはチームメート2人の肩を借りてコートを出ようとするが、左足に体重をかけることができず、担がれてコートを去ることとなった。

試合後、チームからは翌日にMRI検査を実施すると発表したが、軽傷でないのは確実で、このまま今シーズン終了という最悪のケースもあり得る。

ともにスパーズ黄金期を支えてきたマヌ・ジノビリは、試合後「彼がケガをするのは見ていて辛い」とコメント。「おそらく、すぐに復帰するのは難しいだろう。大きな痛手だ」と続けた。

プレーオフに入りギアを上げていたパーカーの離脱がスパーズの攻守に与える影響は少なくないだろう。パーカー不在の間スターターに起用される可能性が高いパティ・ミルズは「トニーは、TD(昨秋に引退したティム・ダンカン)のような存在感のある選手。先月から以前のようなプレーをしていただけに残念だ」と話している。

ハーデンを徹底的に抑えられたロケッツ、不発に終わる

第1戦ではロケッツに22本も3ポイントシュートを決められ、99-126で大敗を喫したスパーズは、第2戦ではオフェンスのタクトを振るジェームズ・ハーデン封じを徹底。前半終了までにハーデンに許した得点は第1クォーターの3ポイントシュート1本による3得点のみで、司令塔が機能不全を起こしたロケッツのオフェンスは本来のリズムを失った。

第1戦では前半だけで12本成功させた得意の3ポイントシュートも、この日はスパーズの守備の前にわずか5本の成功に抑えられ、スパーズのペースに引き込まれていく。

試合後レナードが「オフェンスリバウンドを取らせず、3ポイントラインからのシュートを打たせないようにすることが重要だった」と語ったように、試合を通じて50本の3ポイントシュートを放った第1戦とは異なり、ロケッツは3ポイントシュート試投数34本で、成功数は第1戦の半数(11本)に抑えられた。

またスパーズは、88-83で迎えた第4クォーター開始から30-5の猛攻で一気に勝負を決め、第1戦のリベンジに成功。レナードとラマーカス・オルドリッジの他にも、伏兵ジョナソン・シモンズが第4クォーターだけで10得点を挙げ、勝利に貢献した。

盤石の勝利で地力の差を見せ付けたとはいえ、パーカー離脱はスパーズにとって不安要素でしかない。その反面、大勝気分が一気に吹き飛んだロケッツにとって幸いなのは、第3戦から本拠地トヨタ・センターで気持ちを切り替えて2試合を戦えることだろう。

第3戦以降も『テキサス・ダービー』は見どころの多いシリーズになりそうだ。