パスカル・シアカム

レナードがシアカムを称賛「彼がチームを引っ張った」

ラプターズがトロントにウォリアーズを迎えて行われたNBAファイナルの第1戦。パスカル・シアカムがドレイモンド・グリーンの堅守を上回り、プレーオフにおけるキャリアハイとなる32得点を挙げたラプターズが、3連覇を目指すウォリアーズ優位との予想を覆した。

ラプターズはエースのレナードが、常にダブルチームを受け自由にプレーさせてもらえない。だが、このダブルチームによって外角のマークが甘くなり、ラプターズは積極的に3ポイントシュートを放つ。第1クォーターだけで14本の3ポイントシュートを放ち、そのうち5本を成功させたことで先行した。

ディフェンスではステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの『スプラッシュ・ブラザーズ』への警戒を強め、抑えどころを限定。一定の選手へのマークが甘くなるも、そこは想定の範囲内。イージーバスケットを許さないことでウォリアーズに主導権を渡さなかった。

カリーに少ないチャンスから3ポイントシュートを許すなど、第2クォーターに入っても拮抗した展開が続く。それでも、トランジションオフェンスからシアカムが速攻を連発し、レナードも1on1から得点を重ねたことでリードを保つと、ダニー・グリーンの3ポイントシュートで締めたラプターズが59-49と2桁のリードを奪った。

後半に入ってもシアカムがタフショットを決め続けてラプターズがリードを保つ。ウォリアーズとしては、ドレイモンド・グリーンの守備は最も計算できる部分で、ここまで1on1で苦戦することは予想外だった。

最終クォーター序盤、デマーカス・カズンズを含むセカンドユニットの反撃を受け、90-87と1ポゼッション差に迫られるも、ラプターズはディフェンスで我慢を続ける。そこからシアカムの速攻へ繋げ悪い流れを断ち切ると、レナードも続いて逆にリードを広げる。残り7分32秒、カリーの3ポイントシュートが外れ、カウンターからダニー・グリーンが3ポイントシュートを沈め、100-88と再び点差を2桁に乗せた。

反撃したいウォリアーズだが、オフボールでオフェンスファウルをコールされたクレイ・トンプソンがテクニカルファウルをコールされるなど、波に乗れない。

一方、ラプターズは徐々にオフェンスが重たくなるものの、ショットクロックギリギリからフレッド・バンブリートがタフな3ポイントシュートを沈めるなど運も引き寄せる。オフェンスリバウンドからフリースローを獲得するなど時計を進め、逃げ切りに成功した。

序盤は徹底したダブルチームに苦しんだものの、ミスマッチを突き23得点を挙げたレナードは、「王者を相手にするのだから、冷静に戦わないといけない。すべてのポゼッションでね」とコメント。そして、「パスカルのプレーは大きかった。彼がチームを引っ張った」と、キャリアハイの32得点を挙げたシアカムを称賛した。

戦前の予想を覆し、初戦をモノにしたラプターズ。第2戦は6月3日(日本時間2日)、再びラプターズのホームで行われる。