ファジーカスを軸とした攻撃が機能、連日の大量得点
4月29日、川崎ブレイブサンダースがホームで横浜ビー・コルセアーズと対戦。ニック・ファジーカスが35得点、辻直人が18得点と『2枚看板』が得点を重ねた川崎が、序盤からリードを奪う盤石の展開で96-75と快勝した。これで今季47勝10敗とした川崎は、この日、シーホース三河、栃木ブレックスが揃って敗れたことでチャンピオンシップ第1シード争いにおいて、両チームとのゲーム差を2に広げている。
第1クォーター残り約4分の時点で、川崎は辻が3ポイントシュートでのバスケットカウントによる4点プレーを含む10得点、ファジーカスが9得点と、エース2人が試合開始から全開でリードを2桁に広げる。そのまま第1クォーターで28-20と先行する。
第2クォーターに入ると、横浜はともにオン・ザ・コート「1」の中、ファイ・パプ月瑠がインサイドで得点を重ね追い上げる。しかし、川崎はファジーカスを軸にしたバランスの取れたオフェンスで上回り、48-35と突き放して前半を終える。
後半に入っても川崎オフェンスの勢いは止まらない。第3クォーターにはファジーカスがこのクォーターだけで13得点。さらには鎌田裕也も4得点と、ゴール下で確実に得点を重ねていく。その結果、73-55で第3クォーターを終え、大量リードに守られて楽々と逃げ切った。
「一つひとつステップアップするという意識で」
川崎の北卓也ヘッドコーチは、「昨日と同じ展開となり、20点くらい差が付きました。点差が付いたことで仕方のない部分もありますが、ヘッドコーチからすればもう少し失点を抑えられた部分はあります。残り3試合、本当に一つひとつステップアップする意識でチームを鼓舞しながらやっていきたい」と、あくまでチャンピオンシップを見据える。
昨日の92得点に続き96得点と大量得点を挙げた。「ボールをしっかり動かす。そうすることで、守備にズレが出てくると伝えており、このゲームプランを選手が遂行してくれました。その中で、相手が昨日と違うティフェンスをした時にも、選手たちはアジャストしてくれたと思います」と北ヘッドコーチは振り返る。
そして、横浜との神奈川ダービーを8戦全勝で終えられたことには「素直にうれしいです。同じ相手と8回も戦うと、それまでに勝っていた場合は気が緩む面も出てきてします。ただ、横浜さんと戦う前に、これまで全勝していていたチームに負けているので、それが良い薬になって、昨日今日と気持ちの入ったプレーをしてくれました」と語る。前々節に富山グラウジーズ、前節にはサンロッカーズ渋谷相手に今季初黒星を喫し、2節連続1勝1敗で終えていた中で、2試合しっかり勝ち切ったことに満足していた様子だ。
また、前日の6本中4本成功に加え、本日も8本中5本成功と3ポイントシュートを高確率で沈めた辻については「シュートタッチ。シュートセレクションともに良かった。辻のシュートが入るとチームも乗ってきます」と、エースの状態にも好感触を得ている。
辻本人は「痛みはあり、完全に治っているわけではない」と語るが、「今、シュートを決めていくことで、チャンピオンシップでも自信を持ってシュートを打てるようになっていきます」と続ける。
一方、2試合に続けての大敗となった横浜だが、パプ月瑠が19得点をマーク。崩壊した守備の立て直しが第一にはなるが、尺野将太ヘッドコーチが「オフェンスではペイント内の得点で上回ることができました。この強みを残りの試合でも生かしていきたい」と語ったように、ポシティブな面もあった。残留プレーオフ回避に向けて、インサイドの強みをしっかり活用できるかは大きな鍵となってきそうだ。
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