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エースのアデトクンボを中心に粘りを見せたバックス

ラプターズ(東3位)とバックス(東6位)のプレーオフ第6戦。2勝3敗と後がないバックスは、出だしからヤニス・アデトクンボの8連続得点で先行するも、デマー・デローザンの個人技で追い上げられ、PJ・タッカーの3ポイントシュートで第1クォーターのうちに逆転を許す。

エースのアデトクンボを中心にオフェンスを展開するも、アウトサイドのシュート成功率が上がらず、インサイドではラプターズのディフェンス網にかかり得点を伸ばせない。守備ではデローザンのピック&ロールからのドライブを止められず、次第に点差は離れていった。

38-51とリードされて迎えた後半も苦しい状況は変わらず。3ポイントシュートの成功率が高いラプターズは、オフェンスにリズムが生まれ、中外バランス良く得点を重ねた。対照的にバックスは前半の3ポイントシュートが10本中1本しか決まらない。

残り5分17秒、デマーレイ・キャロルの3ポイントシュートが決まり46-71と点差が25と開き、バックスはこのクォーター2度目のタイムアウトを要求。バックスの大反攻が始まったのはここからだ。ラプターズがカイル・ラウリーを休ませている間にアデトクンボ、マシュー・デラヴェドバ、クリス・ミドルトンが立て続けに3ポイントシュートを沈めて一気に13点差まで詰める。

第4クォーター、ラプターズも守備を立て直して10点前後のリードをキープして時間を進めるが、終盤にバックスは粘りのディフェンスでターンオーバーを誘い、オフェンスリバウンドを得点に繋げ、ついにラプターズをとらえる。残り3分15秒、失いかけたボールを懸命につなぎ、ジェイソン・テリーの3ポイントシュートで80-78と逆転した。

ラプターズを牽引したデローザン「俺たちは冷静だった」

それでもラプターズは相手の勢いに飲まれなかった。すぐに同点に追い付くと、ダブルチームにくるバックスディフェンスに落ち着いた対処でノーマークのコーリー・ジョセフへとボールをつなぎ、3ポイントシュートを沈める。そして今度はデローザンが単独突破、3人に囲まれながらもドライブから強烈なダンクを叩き込んだ。残り時間48秒で87-82、値千金の得点だった。

追い詰められたバックスは、直後の攻撃でディフェンスを崩せず、痛すぎるターンオーバーを犯してしまう。ファウルゲームも功を奏すことなく、最終スコア89-92、バックスは2勝4敗で1回戦敗退となった。

ゲームハイの34得点、ほぼフル出場となる47分間プレーしたアデトクンボは、「とても疲れていたけれど、チームメートやファンの存在がモチベーションになっていた。チームメート、スタッフ、今シーズンを通じて素晴らしい仕事をした全員を誇りに思う。もし今シーズン最後の試合になるとしても、25点差での負けなんて嫌だった。だから戦い続けた」と、敗れてもなお胸を張った。

ラプターズではチームハイの32得点を挙げ、エースの力を見せたデローザンが、「相手があきらめずに向かってくるのは分かっていたが、俺たちは冷静だった」と、逆転されても崩れることなく勝ち切った試合を振り返った。

ラプターズは準決勝で昨年のNBA王者キャバリアーズと対戦する。キャブズは1回戦でペイサーズをスウィープで下し、休養も十分。昨シーズンは東カンファレンス決勝で敗れているラプターズだけに、リベンジマッチの意味合いが含まれる。