
「北からバスケットを盛り上げていきたい」
レバンガ北海道は6月9日、富永啓生の入団会見を実施した。
ネブラスカ大を卒業した後、GリーグからのNBA入りを目指していた富永は日本でプレーすることを決断した。その背景には、トーステン・ロイブル新ヘッドコーチとの信頼関係、小川嶺オーナーや折茂武彦社長からの熱烈なオファーがあった。
まずは桜井良太ゼネラルマネージャーから「富永選手にとって今回の決断は決して簡単なものではなかったと思います」と富永への心情を理解した上で、「彼の夢であり希望でもあり目標であるNBA入りに向けた第一歩として、数あるオファーの中からレバンガ北海道を選択してくれたことを大変うれしく思う。この北海道の地で活躍して、自身のパフォーマンスと評価を上げていってほしい」との言葉があった。
富永は「小川嶺オーナーや折茂武彦社長からの熱烈なオファーが北海道入りを決定づけた一番の要因」とレバンガを選んだ理由を語る。また、昨年に日本代表として北海道でプレーした時にファンの熱量、そしてプレーしていて楽しいと感じられた空間だったことも入団のきっかけとなったことを明かし、「北からバスケットを盛り上げていきたい」と、決意を新たにした。
会見では数あるBリーグのクラブで北海道を選んだ理由について多くの質問が記者から寄せられた。「自身のバスケットボールキャリアの最終目標はNBA。NBAに入るためにどの道を選ぶのが一番良いのか考えた結果、Bリーグが盛り上がってレベルが上がってきている中で、活躍することがキャリアアップにつながる」と、まずは結果を出すことがNBA入りにつながると説明をした。アンダーカテゴリーや3×3日本代表で指導を受けたロイブルヘッドコーチが今シーズンから指揮を執ることも大きな要因と話し「自分の強さを引き出してくれたコーチの一人で、アメリカの大学に行く後押しをしてくれた信頼のあるコーチだ」と紹介した。
自身の成長が必要なポイントについては「オフェンスの部分はもちろん、ディフェンスでの貢献やチームを勝利に導ける選手になることがレベルアップにつながる。マークが厳しくなる中で得点をして、なおかつ周りを生かせる選手になっていきたい」と語った。
若い選手が多い北海道の印象については「若い選手が多いからできるバスケ、ハッスルだったり声を出すことなど若いなりにできることがたくさんある中で、自分がアメリカや代表で経験してきたことを還元して、チームとしてもレベルアップをしていきたい」と語り、自らの経験値をチームに還元することでリーダーシップを発揮していく意欲も見せた。
気になる契約内容は単年契約で、年俸は折茂社長が「(北海道史上)最高です!」と明かす。また、サマーリーグや海外クラブからのオファーがあれば送り出すスタンスであることも発表された。
NBAを目標としつつも北海道でどのような貢献できるかを、富永は「北海道は発展途上のチームで、今の状況を覆そうとする姿勢、すなわちアンダードッグの立場であることが自身の立場と重なる」と話す。チームのチャンピオンシップ進出、優勝が自分の評価に繋がり、NBAに入るための一番の近道になると説明して北海道での活躍を約束した。
会見を通じて、北海道のチームレベル、認知度向上、そしてクラブからNBA選手を輩出する実績を作りたいクラブ側の意向と、チームを勝利に導き評価を上げ、NBA入りを目指す富永の意向が合致したことがうかがえた。富永が会見中に語った『素直にバスケットを楽しむことが原点』を表現できるレバンガで、信頼できるロイブルヘッドコーチの下、大きな飛躍が期待される。