カワイ・レナード

18年前のリベンジに成功

90-90の同点で迎えた第4クォーター終了直前、カワイ・レナードが右コーナーからジャンプシュートを放った瞬間、トロントのスコシアバンク・アリーナでの様子を見ていた誰もが固唾を呑んだ。

ボールがリムにヒットし、数回のバウンドを経てフープに吸い込まれた瞬間、堰を切ったようにスタンドのファン、そして会場の外でパブリックビューイングをしていた大勢のラプターズファンが狂喜乱舞した。セブンティシクサーズ対ラプターズのカンファレンス・セミファイナル第7戦は、ドラマティックな結末を迎え、ラプターズが3年ぶりにカンファレンス・ファイナル進出を決めた。

ウィニングショットとなったジャンプシュートをジョエル・エンビード越しに放ったレナードは、ボールがリムに当たってバウンドした瞬間、思わず屈んでその行方を見守った。そして、ブザービーターとなった瞬間、チームメートたちに囲まれ、珍しく感情を顕にした。「『Game 7』でのウィニングショットだし、自分のキャリアで記憶に残るシュートになった」と、レナードはブザービーターを振り返った。

今回の第7戦は、同一カードで『Game7』までもつれた18年前のカンファレンス・セミファイナルを思い起こさせる試合展開だった。フィラデルフィアで行われた18年前の『Game7』も、第4クォーター残り2秒の時点で1点差の大熱戦に発展。87-88で1点を追うラプターズは、当時3年目のビンス・カーターにラストショットを託したが、この時は惜しくもリムに嫌われ、シクサーズが勝ち上がった。

コートでのインタビューを受けたカイル・ラウリーは、18年前の対戦について聞かれ、「2001年はビンスのシュートが決まらなかったけれど、今回はカワイのシュートが決まったよ。彼はスーパースターだ」と、エースを称えた。

激闘を制したラプターズは、カンファレンス・ファイナルでヤニス・アデトクンボを擁するバックスと対戦する。