ウェンデル・カーターJr.

「勝つためにはもっと上手く立ち回らなきゃいけない」

現地3月6日、4連敗中のマジックはブルズと対戦。接戦ながら第3クォーター以降はリードする時間帯が長かったものの、最後は44得点のコービー・ホワイトの爆発力に押し切られて123-125で敗れた。

モー・バグナーに続いてジェイレン・サッグスがシーズン終了となり、ディフェンスを中心とするハードワークを貫けなくなっているのが苦戦の要因。ラプターズに2度敗れたのに続いてブルズと下位のチームに敗れているのは、ディフェンスとリバウンドという本来であれば強みの部分が発揮できなかったからだ。

指揮官ジャマール・モズリーは「前半で69失点、オフェンスリバウンド13を取られた。前半終了時点では3点負けていただけだが、ウチらしい戦いではなかった」と語る。ケンテイビアス・コールドウェル・ポープは「前半は相手の速いペースに巻き込まれ、走り回る相手をつかまえられずにレイアップや3ポイントシュートで失点した。後半はトランジションを封じることができたけど、あと一歩及ばなかった」と試合を振り返る。

とはいえ、勝てるチャンスはかなりあったはずだ。第4クォーター残り1分半でホワイトの得点を許し123-125とされた後、試合終了までの何ポゼッションかで得点を生み出すことができなかった。惜しかったのはラストプレーだ。残り12秒でホワイトのファンブルを誘ったウェンデル・カーターJr.がルーズボールにダイブして、ジャンプボールで貴重なポゼッションをもぎ取る。そこからパオロ・バンケロが3ポイントシュートを放つもリングに嫌われる。残り2秒、リムに弾かれて空中にあったボールに届く位置にカーターJr.がいて、そのまま押し込めば同点だったのだが、彼はボールをキャッチして着地してしまい、次のアクションでシュートに行く前に試合終了のブザーが鳴った。

カーターJr.は、古巣相手にヒーローになり損ねたシーンをこう振り返る。「パオロのシュートが決まるものだと思っていた。プットバックで決めれば良かったんだろうけど、その判断ができなかった。プレッシャーに負けた部分もあったのかもしれない。勝つためにはもっと上手く立ち回らなきゃいけなかった」

このところの連敗でマジックは東カンファレンスの上位争いから脱落し、9位まで順位を落としている。ホーム7連戦で1勝しか挙げられず、次からは5試合の遠征が始まる。苦しいのは間違いないが、それでもカーターJr.にあきらめるつもりはない。

「まだ18試合ある。士気を失って戦犯探しを始めるのは簡単だけど、僕らは男らしく立ち向かうよ。ここが大人と子供の分岐点だ。今は良い状況とは言えないけど、一致団結して、励まし合って乗り切りたい。誰かのせいにはしないよ。自分たちの責任を果たし、『できることはすべてやった』と全員が胸を張れるようなプレーをすれば、必ず結果は出るはずだ」」