「必要とされればどんなプレーでもするつもりだ」

クリッパーズは8試合のアウェーゲームが続く長期遠征で2勝しかできずに順位を落とし、レギュラーシーズンの正念場を迎えていた。それでも久々にホームに戻って来た現地3月5日のピストンズ戦では、ジェームズ・ハーデンの50得点の活躍により快勝している。

カワイ・レナードとノーマン・パウエル、デリック・ジョーンズJr.のスタメン3人をケガで欠く苦しい布陣ながら、イビチャ・ズバッツがペイントエリアでダブルチームを誘い、ボグダン・ボグダノビッチも良いスペーシングでサポートする中、ハーデンは積極的にアタックしていった。

ケイド・カニングハムやシモーネ・フォンテッキオといったサイズも機動力もある選手がマークについてもハーデンはひるまず、自分のリズムで打てると判断すれば相手のチェックが目の前に迫っていても平然とシュートを放って決めていく。得意の3ポイントシュートだけでなく、ディフェンスにそれを意識させてのドライブも効果抜群で、ハーフラインからの加速で相手ディフェンスを置き去りにしてダンクを決めるシーンもあった。

35歳になったハーデンはこの数年でケガが増えてきたが、この試合では老いを全く感じさせず、それでいて必死に食らい付く相手ディフェンスを手玉に取る老獪さがあった。

ハーデンにとって50得点は通算24回目のこと。フィールドゴール24本中14本成功、3ポイントシュート成功6本、20のフリースローを獲得して16を決めたハーデンは「僕にとってはそれほど難しいことじゃない」と語った。

「初めて経験する人にとっての50得点は、ものすごく頑張らなければ無理だろう。でも、僕にとってはゲームの流れを理解し、それに乗るだけだ。必要とされればどんなプレーでもするつもりだし、多くの選手が欠場した今日の試合では、それが50得点を取ることだった」

そして、大活躍のもう一つの要因にVIPの存在を挙げている。バラク・オバマ元大統領が観戦していたのだ。「試合後に彼と写真を撮りたかったんだけど、彼は帰ってしまった。渋滞が嫌だったんだろうね。でも彼とは何度か会い、良い関係にある。試合を見に来てくれて良かった。それが今日の僕のプレーの理由になったと思う」