ダリアス・ガーランド&エバン・モーブリー

「チームメートに信頼され、支えてもらっている」

現地1月30日のホークス戦のティップオフを前に、キャバリアーズは試合前のルーティンを変更した。それはドノバン・ミッチェルの発案によるもので、試合開始直前にNBAオールスターのリザーブが発表されるため、チームミーティングを含めた予定を少し前倒し、全員で『Inside the NBA』を見た。1週間前にスターターとして6度目のオールスター出場を決めていたミッチェルに続き、ダリアス・ガーランドとエバン・モーブリーの名前が呼ばれた。チーム全員がこれを祝って士気高く試合に向かい、137-115の快勝を収めた。

「これが僕たちの絆さ」とミッチェルは言う。その絆は、キャブズの3人でスキルズ・チャレンジに出場するというミッチェルの意欲にも表れている。

開幕前から「今シーズンはオールスターになりたい」と宣言していたモーブリーは有言実行を果たし、初選出の瞬間をチーム全員で迎えられたことを喜んだ。「チームの誰もが僕とDG(ガーランド)の選出を願い、自分のことのように喜んでくれた。本当に素晴らしい気分だ」と彼は言い、自分の選出をキャブズが後押ししたと言う。

「すべての試合でチームメートに信頼され、支えてもらっている。厳しい世界だけど、公園のコートで友達とプレーしているような感覚もあって、それで試合を重ねるたびに自信が得られるのは本当に楽しいよ」

「このリーグでプレーする者なら誰でもオールスターに選ばれることを目標にする。僕は今シーズンの目標にこれを掲げて日々努力してきた。それが今日の試合前に実現して、すごく興奮したよ。現実味がないようにも思えるけど、それと同時にもっともっと成し遂げたいという気持ちも出てくる。これを最初のステップとして、さらに上を目指して努力を続けていくつもりだ」

一方のガーランドはクリーブランド開催の2022年に続く2回目の選出となった。彼にとっては不運な出来事を跳ねのけての選出であり、そこに感慨がある。「去年の今ごろはチームを離れて家に閉じこもっていた。そう考えると、食べることも話すこともできる今は幸せだよ」とガーランドは静かに語る。

昨シーズンのこの時期、彼は顎の骨折で1カ月半の戦線離脱中だった。彼が不在の間もチームは勝ち続けており、トレードデッドラインを控えていた時期だけに「ミッチェルがいればガーランドは不要で、放出すべき」という話も盛んにかわされていた。復帰後も顎の違和感が残ってパフォーマンスが安定せず、不要論をプレーで打ち消すことができなかったあの時期は、彼にとって本当につらいものだった。

「顎の手術なんて経験しない人がほとんどだよね。去年の1月にはパリゲームがあって、リハビリ中だったけど参加した。すごく楽しい遠征だったけど、手術したばかりで美味しいフランス料理も見るだけだった。仲間としゃべることさえできなかったんだ。キツかったけど、みんな僕のそばにいてくれた。人との繋がりを感じられれば笑顔で前を向くことができる。みんなのおかげで乗り越えられたんだ」

そして彼は復活の道を歩み始め、オールスターへとたどり着いた。「このオフはウェイトルームにこもって身体強化に励み、ひたすら努力した。トレーニングキャンプから元の自分に戻れると信じていたよ。調子は良かったし、コーチ陣もチームメートも僕を信頼してくれた。そうやって2度目のオールスターにたどり着いたことは、僕にとって本当に大きな意味があるんだ」

キャブズは唯一、今回のオールスターに3選手を送り込み、ヘッドコーチのケニー・アトキンソンも参加する。アトキンソンもまた、「オールスターはキャリアに永遠に刻まれるもので、3人も選ばれるのは本当にすごい。彼らの素晴らしさが認められて私もうれしい」と、選手たちのオールスター入りを我がことのように喜んだ。