トレイ・ヤング

「だから今回選ばれた選手たちにおめでとうと言うよ」

NBAオールスターは投票で選ばれるスターター5人とコーチ選出のリザーブ7人、それが2チームで合計24人という『狭き門』で、毎年十分な実績を残しているにもかかわらず選出されないスター選手が出てくる。今回で言えば東カンファレンスではトレイ・ヤングにラメロ・ボール、フランツ・バグナー、ジャレット・アレン、ジョシュ・ハート、西カンファレンスではドマンタス・サボニスにデビン・ブッカー、タイリース・マクシー、カイリー・アービングといったところだろう。

その中でも最大の驚きはホークスのトレイ・ヤングだ。チームは現在7連敗中だが、それまでは勝率5割を超えており、開幕からここまでプレーオフ圏内をキープしている。エースのヤングは自ら得点を取るよりもプレーメークに比重を置くスタイル変更に今シーズンを通して取り組んでおり、得点はこれまでよりやや落ちたが、ここまで11.4アシストはリーグトップの数字だ。

リーグ2位のニコラ・ヨキッチでも平均アシストは10.1で、過去のアシストリーダーも昨シーズンがタイリース・ハリバートンの10.9、そこからさかのぼってもジェームズ・ハーデンの10.7、クリス・ポールの10.8だ。過去に平均20得点、10アシストを記録してオールスター入りを逃した選手はおらず、ヤングは2020年、2022年、2024年に続く4度目のオールスター選出が濃厚とされていた。

それだけに失望も大きいかと思いきや、この日のキャバリアーズ戦を終えたヤングはさっぱりした表情だった。『Atlanta Journal Constitution』の取材に「いろいろ思うところはあって、それはいずれ話すだろうけど、結局のところリーグ最高の24人がオールスターに行くんだ。もしかしたら1人見逃しているかもしれないけど、それはそれだよ」と語る。

オールスター落選が彼に新たなモチベーションになるのだろうか? 「そうはならないよ」とヤングは笑いながら心境を語る。「僕にとっては初めての経験じゃない。僕はこれまでオールスターだったし、これからもオールスターだ。だから、今回選ばれた選手たちにおめでとうと言うよ」