富樫勇樹

Bリーグ初年度の2016-17シーズン以来のMVPに輝く

1月19日、『B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2025』メインイベントのオールスターゲームが行われ、B.WHITEがB.BLACKに119-114で勝利。富樫勇樹がMVPに選ばれた。

B.WHITEの先発は富樫勇樹、篠山竜青、吉井裕鷹、ジェフ・ギブス、渡邊雄太。対するB.BLACKの先発は比江島慎、辻直人、馬場雄大、ジョシュ・ホーキンソン、川真田紘也という顔ぶれ。

試合開始早々に渡邊が比江島の目の前から3ポイントシュートを決めて、比江島のセレブレーションで煽り、ギブスは巧みなハンドリングからロゴ・スクープショットを決め(惜しくもノーバスケット)、D.J・ニュービルがブザービーターで第1クォーターを締め、ドウェイン・エバンスがボードに当てて狙った一人ダンクを決め損ねるも、ジャック・クーリーがフォローしてダンクを成功させ、川真田が渡邊との1on1に挑んで完敗し、原修太と田代直希の『船橋トラップ』が炸裂し、須田侑太郎は公式戦と変わらぬ決定力を笑顔で見せ、顔つきまで含めていつもと変わらない吉井がハッスルプレーを連発し、篠山は攻守に走り走らされ、辻が3ポイントシュートを決めて踊り、比江島が3ポイントシュートを決めてファンお待ちかねのセレブレーションを披露し、最後は今シーズン限りでの引退を表明しているギブスがダンクを決めて試合を締めくくった。

MIPは初出場ながら堂々かつ楽しんでプレーした川真田が選出され、MVPは他の候補者から全力で推された富樫勇樹が受賞した。

富樫のオールスターMVPはBリーグ初年度の2016-17シーズン以来。「1回目ほどきれいなMVPじゃなかったかもしれないけど」と言うのは、前回はジャスティン・バーレルのサポートを受けた『たかいたかいダンク』も含め、富樫が他の誰よりも目立っていたからだ。

今回はそれほどでもなかったが、「B.WHITEは遠慮して誰もシュートを打たないような空気がなかったので、今まで出場したオールスターでは一番ボールに触っていない感覚です」と、真剣勝負ではないオールスターであっても全員がアグレッシブに、良いプレーができたことを富樫は喜ぶ。

「遠慮せずにどんどん良いペースでバスケをした方が良いと話していました。ケガしないのが大前提ですが、ディフェンスでもプレッシャーをかけながら。B.BLACKは最後の5分、もうちょっと追い付こうとやってくるかと思ったんですが、辻選手がずっとフザけてるので、ああ大丈夫だなと(笑)」

富樫勇樹

「MVPはこの10年間の船橋の方々からのプレゼント」

今回のオールスターは千葉ジェッツのホームアリーナ、LaLa arena TOKYO-BAYでの開催。スタンドを見回してもジェッツファンの赤が多く、富樫には一際大きな声援が送られていた。「千葉Jで10年プレーして、船橋でオールスターができる、MVPを獲得したことは、この10年間の船橋の方々からのプレゼントなのかなという気持ちもあります。すごく楽しかったです」と、富樫は晴れやかな笑顔を見せた。

事実上の『主役』を務めたオールスターの2日間は、何としてでも取りたいと語っていたMVPも受賞して、大団円で終わった。富樫はこの週末を全力で楽しみ、充実感を得て再びリーグ戦へと戻っていく。

「オールスターにプレッシャーを感じているわけではないのでホッとしたという感覚は別になくて、でも僕自身、いろんなイベント、コンテスト、アーテイストの方のライブも含めて楽しめました。観客の皆さんも同じ思いになってくれたのかなと思います。それがオールスターのすべてなので良かったです」