「大事なのは最終的に試合に勝っているかどうか」
今シーズンのトレイ・ヤングは得点からアシストへと比重を変える新しいスタイルを模索し、それがチームの好調に結びついている。22.5得点はルーキーイヤーに次ぐキャリアで2番目に低い数字だが、フィールドゴール試投数16.9も同じくルーキーイヤーに次いで低い数字。そしてアシストは昨シーズンに記録したキャリア最多の10.8を上回る12.1へと増えている。
デビューからずっとホークスの攻めの全権を担っていることに変わりはないが、プレーメークを重視してチーム全体を動かすことを今の彼は意識している。個々のタレント力はあっても噛み合う気配のないサンズとは対照的な姿を、ホークスは見せている。
現地1月14日のサンズ戦、ホークスはジェイレン・ジョンソンとディアンドレ・ハンターを欠きながらも122-117で競り勝った。ホークスで最も得点を挙げているのはヤングの22.5得点だが、それに続くのは19.8得点のジョンソンと19.4得点のハンターで、2人を欠いたこの日のヤングは得点に比重を戻し、シーズンハイの43得点に加えて5アシストを記録した。
「平均12アシストというのは、毎試合12アシストを記録するって意味じゃない。20アシストの日もあれば5アシストの日もある。大事なのは最終的に試合に勝っているかどうか。だからスタッツはあまり気にしない」とヤングは言う。
「ただ、勝つためにみんなを巻き込み、良いリズムでプレーさせたい。それが僕自身がリズムをつかむことにも繋がっている。パスを出して良いチャンスをクリエイトすることで、相手の脅威になれているという感覚がある。とはいえ、たまには僕の得点力を思い出させないといけないから(笑)、みんなが僕にボールを託してくれた時には、自信を持って打つ。今日のアシストは5よりもっと多くても良かったかもしれないけど、勝てたんだから気にしないよ」
そして今日の勝因はメンタル面にあったとヤングは言う。ジョンソンとハンターを欠いても弱気になるのではなく、サンズ相手にエネルギー全開で立ち向かっていけたこと。それはリバウンドに顕著な差として出た。リバウンドの数はサンズの37に対してホークスは54と圧倒し、20本ものオフェンスリバウンドから分厚い攻撃を展開した。
ユスフ・ヌルキッチはこのホークス戦から始まる5試合の遠征に参加していない。発熱を伴う体調不良が理由とされているが、ブラッドリー・ビールとともにベンチスタートに回されて、この遠征中にトレードされる可能性が高い。それでも9.2リバウンドを記録しているヌルキッチに代わって先発センターを務めるメイソン・プラムリーは5リバウンドと苦戦。インサイドの層が薄くなったところを突いたのは、ホークスの控えセンターのオニエカ・オコングで、22得点21リバウンド(うちオフェンスリバウンド10)の大暴れだった。
「僕らは万全にはほど遠く、タレントという意味ではサンズが明らかに上だったけど、落ち込んだり動揺したりしなかった」とヤングは言う。「大事な選手を欠いても、まだやれる選手たちがいる。全員がいつもより少しずつ余計に頑張ればいい。そういう気持ちが今日はプラスに働いたんだと思う」
19勝19敗同士の対戦後、ホークスは勝ち越し、サンズは負け越しとなった。