「緊張なんてゼロ、ただただすべてが楽しいです」
兵庫県代表の三田松聖は初出場から5年連続5回目でウインターカップに出場している。一人ひとりの身体能力や個人スキルをきっちり磨いた上でチームとしての結束も強く、今年はU18日清食品 近畿ブロックリーグを制して自信を持ってウインターカップに臨んでいる。
昨日の初戦は島原中央に84-65で快勝。今日の2回戦も府立鳥羽を相手に106-53とダブルスコアの大勝を収めた。
このチームの強みは全員がオールラウンドかつポジションレスにプレーできること。加えて、その強みをチームとして効率良く引き出せるバスケIQにある。この試合、序盤は府立鳥羽の粘り強いディフェンスもあり、ジャンプシュートがなかなか決まらなかったが、そこですぐさま自分たちの調子と相手の守り方を見て、ガードの東奈那がポストアップからゴール下を攻め、フリースローで得点を繋いでいく。
フォワードやセンターにゴール下を任すのではなく、ガード同士のマッチアップであればフィジカルで押し込めると見て、そのアドバンテージを徹底的に使う。そうするうちにシュートタッチも良くなり、三田松聖のオフェンスは勢いを増していった。
18得点を挙げた東は「他のチームにはエースがいますが、ウチは全員でバスケをやります」と語る。「いろんなポジションを全員ができるからこそ、相手の弱みを攻めることができたり、私もいつもはシューターですけど今日はポストから攻めたり、そうやって新しい発見がどんどん出てくるのが楽しいです」
そう言って笑う東を始め、三田松聖の選手たちは試合中にも笑顔がたくさん出る。東は「ウインターカップ、めっちゃ楽しいです。緊張なんてゼロ、ただただすべてが楽しいです」と、大舞台でプレーする喜びを全身で表現している。
キャプテンの渡部陽美は大会終了後にアーリーエントリーでWリーグのシャンソン化粧品に行くことが内定しているが、高い得点能力を持つ渡部に頼る戦い方を三田松聖は取らない。この試合でもシュート試投数では渡部が13しかなく、東が21本、木下楓が19本を打っていて、相手ディフェンスからすれば的が絞りづらい。
シュートタッチがあまり良くないところからのスタートでも106得点と爆発力を見せ、練習でやってきた通りのプレーが出せたことで、ただの2勝より大きな手応えをチームは得ている。勢いに乗る三田松聖は、明日の3回戦で岐阜女子に挑む。