長谷川暢

東地区上位のSR渋谷に1勝1敗

現在3勝11敗で東地区最下位の茨城ロボッツだが、第2節で千葉ジェッツ、続く第3節で名古屋ダイヤモンドドルフィンズを撃破するなど、未知数のポテンシャルを感じさせるチームだ。第8節のゲーム1でも、同地区上位チームのサンロッカーズ渋谷に87-80で勝利。翌日のゲーム2は54-83と大敗したが、先発ポイントガードを務めた長谷川暢は試合後、前向きなコメントでこのシリーズを総括した。

「昨日よりも渋谷さんのプレー強度が上がっている中、得点が伸びず、守備もなかなかうまくいきませんでした。でもチームとして積み重ねが大事だと思っているので、良い準備をしてバイウィーク明けのゲームに向かえればいいなという風に思っています」

長谷川は、15得点3スティールというスタッツを挙げたゲーム1に続き、この試合も3ポイントシュート3本成功を含む15得点3アシストと躍動。特に、29-43のビハインドを覆そうと迎えた第3クォーターはアグレッシブにリングを狙い、チームハイの5得点を挙げた。

この時間帯の自らのパフォーマンスについて、長谷川は次のように分析している。「うちのピック&ロールに対して相手がビッグマンが下がって守ることが多かったので、3ポイントをもう少し狙えるなと思っていました。実際に2クォーターの終わりに1本決められたので、第3クォーターも積極的に狙っていくことでいろんな展開が生まれると思いましたし、僕が攻めないとチームとして点数を取れないとも思いました」

第3クォーター中盤、ロバート・フランクスのジャンプショットで10点差にまで追いついたものの、そこから再び点差を離されてしまったことについては「辛抱強さが必要」と述べた。「フリースローのもらい方や、外角のシュートが入らなかったときの対応はこれからの課題かなと思います」

長谷川暢

各種スタッツ爆増も「もっとステップアップしなきゃいけない」

2018-19シーズンより在籍した秋田ノーザンハピネッツを離れ、今オフ茨城に移籍した長谷川は、新天地で素晴らしいステップアップを実現している。昨シーズンは先発起用がわずか5試合に留まったが、茨城では第8節までの14試合全試合で先発を担い、平均約27分出場、13.0得点、2.8リバウンド、4.4アシスト、1.1スティールと、いずれの項目も数値が大幅に上昇している。

なぜ移籍初年度からこのような高いパフォーマンスを挙げられているのか。そう尋ねられた長谷川は「どうなんですかね」と照れ笑いを浮かべた後、謙虚に言葉を発した。

「チームとしてはなかなか勝つことができてないですし、自分が入ってチームの何を変えられたかは分からないんですが、インサイド陣がすごくプレーを合わせやすかったり、コーチが僕がリズムに乗りやすいバスケットを作ってくれているので、自分は思い切りプレーしているだけかなというふうに思っています」

また、プレーの幅が広くボール運びも担えるチェハーレス・タプスコットの存在に「すごく救われている部分がある」と感謝を述べつつ、自らを戒めるようにこう言った。

「昨日のゲームはずっとシェイ(タプスコット)がボールを運んでくれていて、僕は何もせずコーナーに立ってるだけみたいな状況が多かった。ポイントガードとして、たとえボールを持っていなくてもコミュニケーションをとって、みんなでオフェンスをクリアにしていかないといけなかったと思いましたし、もっとステップアップしなきゃいけないです」

平均得点が2ケタに乗ったことについて「こんなにうまくいくと思っていなかった」と率直に話した長谷川は、「ここから先がまたチャレンジ」と気持ちを引き締める。次に目指すは、個人のパフォーマンスをより多くの勝利に繋げていくことだ。

2020-21シーズンのB1昇格以来、思うような成績を挙げられていないチームを牽引する『新たな顔』として、さらなる活躍に期待したい。

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