フィールドゴール15本中11本成功、26得点の大活躍
現地11月22日のナゲッツ戦、マーベリックスはルカ・ドンチッチを手首のケガで欠いた。絶対的なエース抜きの戦いで『ネクスト・マン・アップ』が求められたが、その前のペリカンズ戦でその候補は出現していた。今夏にマブスに加わったナジ・マーシャルは、クレイ・トンプソンに続く控えの『3&D』として堅実な活躍を続けていたが、ナゲッツ戦の3日前、NBAデビューから4シーズンを過ごした古巣ペリカンズ戦でベンチから20分の出場で15得点と結果を残していた。
彼にとってはNBAで最初の移籍で、古巣対決は初めての経験。試合前のウォーミングアップでかつてのチームメートと抱き合って旧交を温めたナジは「こういうことは初めてなので、ちょっと照れるね」と話した。
続くナゲッツ戦で、彼はシックスマンとして試合を決定付ける働きを見せる。26分の出場でフィールドゴール15本中11本成功の26得点。先発陣は充実していてもベンチメンバーが出るたびに失速するナゲッツからすれば、まぶしすぎる存在だったに違いない。ナゲッツの控えメンバーはラッセル・ウェストブルックが16得点で、他の5選手を加えても24得点。ナジだけでこれを上回ったことになる。ベンチから出た選手の得点は56-24とマブスが圧倒した。
マブスは最大24点リードからナゲッツの猛追を浴び、残り5分半で逆転を許す。この時点でナゲッツはベストメンバーをコートに送り出しており、ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーのコンビプレーを軸にクラッチタイムで圧倒的な強さを見せ付けるかと思われたが、勝負どころを前にビハインドを挽回するのにエネルギーを使いすぎていたのかもしれない。
108-113の残り3分からマブスはPJ・ワシントンの連続得点を皮切りに9-0のランで逆転。残り18秒でナジがジャマール・マレーのマークを振り切ってフローターを沈めて勝負を決めた。
目立った働きを見せたのはナジだが、ドンチッチに代わり先発に入ったクエンティン・グライムズ、ベンチから出たダニエル・ギャフォード、スペンサー・ディンウィディー、ジェイデン・ハーディーと多くの選手の活躍あってこその勝利だった。
指揮官ジェイソン・キッドは「ケガ人がいる中で、控え選手が抜擢に応えて層の厚さを示してくれた」と言う。「ルカの代わりを誰か一人が務めるのは無理だ。しかし、チーム全体でならカバーできる。チームとして素晴らしい仕事ができた。今日頑張ってくれた選手たちには、今後より多くのプレータイムを与えたい。『全員で戦う』とはそういうことだ」
一方のナゲッツは子供の誕生に立ち会うためチームを離れていたヨキッチが戻って来て、いきなり33得点17リバウンド10アシストと異次元のパフォーマンスを見せたにもかかわらず敗れた。指揮官マイケル・マローンはこう話す。「二コラが戻って来てホッとするのは理解できる。超人的なプレーで苦しい試合を乗り切ってくれると期待するだろう。だが、それはフェアじゃない。それぞれが自分の仕事を全うしなければ、勝つことはできない」