ラメロ・ボールのフリースローでホーネッツ逆転勝利
開幕から調子の上がらないバックスにとって、勝利は何よりの薬となる。勝てば周囲の雑音は収まり、選手たちは落ち着きを取り戻し、チームはいずれ本来の力を発揮するだろう。直近の2試合でラプターズとピストンズを相手に今シーズン初の連勝を挙げ、現地11月16日のホーネッツ戦でも勝とうと意気込んでいた。だが、誤審がすべてを台無しにした。
残り19秒でバックスが1点リードの場面、ラメロ・ボールがボールを持ってヤニス・アデトクンボを相手にアタックを仕掛けて倒れた。これにファウルの笛が吹かれ、フリースロー2本で逆転。最後にアデトクンボが逆転を狙うジャンプシュートを放つも、これはリングに嫌われ、115-114でホーネッツが勝利した。
ラメロは第3クォーターまでフィールドゴール12本中2本成功とシュートタッチが悪かったが、第4クォーターになって本領を発揮してオフェンスを牽引していた。しかし、最後のファウルはファウルではなかった。試合後、審判団は「イリーガルな接触はなかった」との声明を発表している。バックスの指揮官ドック・リバースは「明らかにファウルではなかった。ラメロはただ滑って転んだだけだ」と語る。だが、バックスはその前にチャレンジを使っており、何もできなかった。
彼が問題視しているのはこのプレーだけではない。アデトクンボは33分プレーして、得たフリースローは1つだけ。「ホーネッツはヤニスのドライブに対し、腕や顔を叩いて止めにきた。それでヤニスが止まらなかったからと言って、ファウルがコールされないのはおかしいだろう? 試合を通してずっとペイントエリアで勝負をしてフリースローはたった1本。どういうわけか誰か説明してほしい」
一つ前のピストンズ戦でも、第4クォーター残り1秒に怪しい判定で相手チームにフリースローが与えられている。2本いずれも外して試合は延長に入り、バックスは何とか競り勝ったが、リバースはそのことを蒸し返した。「2試合連続でラストプレーで誤審が起きている」
ただ、誤審が勝敗に影響を与えたとしても、ホーネッツが良い戦いを見せたのも確かだ。デイミアン・リラード不在でアデトクンボに偏るバックスのオフェンスをフィジカルなディフェンスで(リバースに言わせればファウルで)抑え込み、両チームとも2桁のリードを一度も得られない均衡した展開の中でハードに戦い続けた。
そして最後はラメロがクラッチ力を発揮した。最後のフリースローが誤審であったとして、それ抜きでも第4クォーターに13得点を記録している。ここまで29.9得点は、アデトクンボ、アンソニー・デイビス、ジェイソン・テイタムに続くリーグ4位の数字。ケガ続きで過去2シーズン合計で58試合にしか出場していないラメロは、『復活のシーズン』を謳歌している。「第4クォーターはラメロのものだ」とマイルズ・ブリッジズは言う。「僕らにエネルギーを与え、シュートチャンスを作り、自分でも決める」
バックスは連勝ストップで4勝9敗。リラードを脳震盪プロトコルで欠き、クリス・ミドルトンも足首のケガで今シーズンはいまだ出場がない。苦難の時期はいまだ続いている。