2021-22シーズンに特別指定選手として広島ドラゴンフライズに加わった中村拓人は、そのまま広島でプロ選手となり、経験が必要とされるポイントガードながら即戦力として存在感を示してきた。昨シーズン中盤に先発ポイントガードの寺嶋良がケガで戦線離脱したのはチームにとって大きな痛手だったが、そこで中村は大きな成長を見せ、ファイナルでは最も印象的な活躍をした『日本生命ファイナル賞』を受賞している。中村は今シーズンのBリーグでも初挑戦となる東アジアスーパーリーグ(EASL)でも、その成長速度を落とすことなく突き進むつもりだ。

「チャンスを拾うのは自分たちでしかありません」

──EASLは初めての挑戦となりますが、どんな部分を楽しみにしていますか?

海外のクラブと戦うのは貴重な機会です。身長やフィジカルの強さ、国内では経験できないサイズ感の部分では少し工夫しないとオフェンスもディフェンスも上手くいかないと思っていて、それは僕自身も今までいろいろな国の選手と対戦して感じてきたことなので、そこに対して自分たちがどれだけできるのかが楽しみです。

国内でもフィジカルの強い選手はいますが、それ以上に力強いプレーヤーもいると思います。そこで弱気になったら話にならないですし、そこでどれだけやれるか。挑戦と言っても負ける気はさらさらないので、ガツガツ来られても逃げずに戦うつもりです。

また、高校生の時の代表でやった韓国のチームの相手だったり、見たことがある選手、顔を知っている選手が何人かいるので、プロの舞台でまた戦えるのは僕自身すごく楽しみにしています。

──朝山正悟ヘッドコーチは『成長』を大きなテーマとして掲げていました。

EASLの一戦一戦で勝ちを取っていくのはもちろんですが、チーム全体の成長を目指しています。試合をこなすのは選手にとっては成長の機会だし、もちろん総力戦になる中でこのチームには僕を含めてまだまだ伸びしろのある選手がたくさんいます。一人ひとりが高みを目指してやっていけばチャンスは絶対にありますし、そのチャンスを拾うのは自分たちでしかありません。

「どんどん挑戦していく姿を見て応援してもらえたら」

──試合数が多くなることに不安はありませんか?

僕自身は試合をどんどんこなす方が感覚として良いリズムができるので、Bリーグのレギュラーシーズンの中での試合も僕自身はプラスにとらえていて、チームとしてのリズムができるんじゃないかなと思っています。一方で、もちろん試合をこなすので身体的に疲労は溜まるかもしれないですけど、とにかくプラスに考えたいです。チームとして上手くいかないことがあっても、試合があるおかげで次に修正する機会もあると思うんです。もちろん身体を整えながらですけど、試合を多くやれる方が僕自身はコンディション的にも良いと思っています。

ロスターもEASLでは外国籍選手が2人で、それが終わればまたBリーグの3人になって。その違いがある分、普段はなかなか出れない選手にチャンスが来たり。このチームにはやれる選手が揃っているので、ネガティブなことは考えずにどんどんトライしていくつもりです。

──ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

メンバーのところもそうですが、レギュラーシーズンとはまた少し違うバスケットボールを見せられると思っています。そこをファンの皆さんには楽しみにしてもらいたいです。福山開催が多くて広島市内からは少し距離がありますが、でも福山開催は非常に盛り上がりますので、僕らが海外のチームと戦う姿、どんどん挑戦していく姿を見て応援してもらえたらと思います。