ジュリアス・ランドル

「僕のただ一つの望みは優勝なんだ」

カール・アンソニー・タウンズを中心とするトレードでニックスからティンバーウルブズへ。ジュリアス・ランドルは今回のトレードを「新鮮な空気を吸ったようだった」と表現した。その表情は晴れやかで、ニックスを離れる悲しみよりも新たな挑戦への期待の方がずっと大きいように見える。

ニックスは彼が再建を引っ張ってきたチームだが、ここ数年はジェイレン・ブランソンが中心になっていたし、間もなく30歳を迎えて再契約のことも考えなければならないランドルが安住できる環境ではなかった。だからこそ、今回のトレードは彼にとって新たな道が開けたような感覚なのだろう。

「ニューヨークで5シーズンを過ごし、高い目標を掲げて成功を目指してきた。でも、トレードが決まってすごくワクワクした。ニックスで学んだことすべてをここに持ち込みたい。僕のただ一つの望みは優勝なんだ。個人としては多くのことを成し遂げたと思う。だからこそ今は優勝したい」

ウルブズが彼を中長期的なプランに組み込むかどうかはまだ分からない。だが少なくとも現時点で彼はウルブズでのプレーに前向きに取り組もうとしている。「5年もいたチームを離れるのは大変だけど、ここに来た時からみんな僕を歓迎してくれた。まだホテル暮らしだけど、すごく馴染めていると思う」

彼が前向きでいられる大きな理由がクリス・フィンチの存在だ。ランドルはニックスの前にペリカンズで1シーズンを過ごしているが、当時のアシスタントコーチがフィンチだった。「ニックスへの移籍が決まった時、フィンチを連れていきたかった。彼は最高のコミュニケーション能力の持ち主で、選手の能力を引き出してくれる。僕がオールラウンドなプレーをできるようになったのは彼の教えが大きいんだ」

ニックスの中心であり続けることが彼のキャリアにとっては一番良かったのかもしれない。物事はそう進まなかったが、彼はトレードされた先で信頼できるコーチと再会し、優勝争いに身を置いてプレーできる。

「妻は言うんだ。『ひどい状況だってあり得た』とね。誰も批判するつもりはないけど、実際にそうだと思う。僕が望むのは優勝だ。今回、その素晴らしい機会を得られたと思っている。自分がこれまでに学んだことを発揮してチームを助けたい。難局を乗り越えて勝利をつかみ取りたいんだ」